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JINSEI STORIES 退屈日記「仏サッカー代表選手が日本人大差別の報道を分析。くそ野郎は誰だ!」 Posted on 2021/07/04 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、ヤフーニュース開いたら、トップニュース欄に「フランス代表FW、日本人侮辱か」という見出しがあって、覗いてみたら、サッカーニュースサイト「ゲキサカ」に「デンべレとグリーズマンが日本人を侮辱か、・・・『醜い顔』『後進国の言葉』『技術的に進んでないのか』というタイトルが踊っていた。うわ、なんだこれ・・・。 ぼくもこれを読んだ後、「グリーズマン、応援していたのに、このくそ野郎、差別主義者メ、二度と日本の土を踏ませるものか」と思った。←大げさですね。えへへ。 多くの日本のサッカーファンがそう感じたはずだ。 でも、61才の父ちゃん、ちょっと待てよ、と冷静になってみた。 こういう差別発言って、ちゃんと本当に誰が何を言ったか調べ
THE INTERVIEWS ザ・インタビュー「31字に込められたホストたちのコロナ対策」 Posted on 2020/07/18 辻 仁成 作家 パリ ここのとろころ多出していたのが「夜の街」で「ホストクラブ」で感染拡大みたいな記事で、ホストクラブがそんなに問題になっているのだ、と思って、当事者たちの声はどうなのだろうと探してみるのだけど、滅多にホストたちサイドからの反論というか主張がない。片方だけしか報じないのはどうなのかな、と思っていたら、昔、一度会ったことのある歌舞伎町のホストクラブの経営者がいたことを思い出し、電話番号とかラインとか知らなかったのだけど人伝てに調べて、1万キロも離れているのだけど、インタビューをすることが出来ました。すると、メディアが報じていた内容と若干違う新たな一面を見ることも出来ました。歌舞伎町のホストたちの声。 ザ・インタビュー「31字に込められたホストた
JINSEI STORIES 滞仏日記「哲学者が語った、コロナとの驚くべき向き合い方」 Posted on 2020/04/11 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、どこの町にも仙人みたいな浮世離れした人がいる。我が町にも、いつも葉巻をくわえ、よれよれの革ジャンを着て、プロレスラーみたいな体躯、ギャングみたいな風貌、スキンヘッドで、不敵な笑いを浮かべ、近寄りがたい男がいた。ある日、たまたまカフェで隣同士になり、よく通りですれ違う顔見知りだったので、話しかけたら、南アの大学の先生だった。しかも哲学の博士である。人は見かけによらないというけれど、確かに、その典型的なパターンかもしれない。 夕ご飯を済ませ、仕事場の窓際から月を見上げていたら、よー、エクリヴァン(作家)、と声がしたので下を見下ろすと、アドリアンだった。きっと、外出証明書など持たずにうろうろしているのに違いない。葉巻をふかし、いつもの不
JINSEI STORIES 滞仏日記「もしも東京がロックダウンされたなら。(加筆、再配信版)」 Posted on 2020/03/24 辻 仁成 作家 パリ ※3月28日に加筆訂正をした改訂版です。 某月某日、日記でも書いてきたけど、やっぱりアメリカでオーバーシュートが起こってる。10万人を超える感染者はもはや尋常ではない。ロンドンもロックダウン(外出制限)が発令され、驚くべきことに、ジョンソン首相までが感染者に名を連ねることになった。欧州はこれでほとんどの主要都市が封鎖、もしくは何らかの制限を発令していることになる。東京都はこの週末、外出自粛要請が出ているが、結構あちこちに人が出ているというニュースを先ほど見て、驚いている。なかなか実感がわかないかもしれないが、感染が拡大しているのは間違いなく、今は自宅から出るべきではない。 実は、フランスでもロックダウンが決定して発令されるまでに時
JINSEI STORIES 滞仏日記「全仏、休校に続いてついに飲食店、クラブ、商店などが閉鎖に」 Posted on 2020/03/15 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、学校が全仏で休校になったので、来週頭にはきっとレストランや商店がイタリアのように閉まるはずだから買い出しに行っとかなきゃ、ということを昼に配信した日記で書いてからまだ半日も経っていないのに、フランスの首相、エドワード・フィリップさんが、今夜12時より全仏のレストラン、カフェ、ディスコティックなど公共の場所(薬局と食料品店を除く)をしばらく閉鎖すると宣言して(っていうか、4時間まえだよ)、とりあえず、今、パリは小さなパニックの真っ最中。なんだかわからないけど、野次馬根性丸出しで、スーパーまで様子を見に行った。途中、上の階に住んでいる会社帰りのジェロームとすれ違ったので、 「大変だよ、今夜、全てのレストラン、カフェが閉まる
JINSEI STORIES 退屈日記「ロックダウンの恐ろしい罠、2」 Posted on 2020/04/26 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、家から出られないのに、なぜかテレビに出演する機会が増えて、最近はスカイプまで登録させられて(笑)、ついにスカイプデビューまで果たし、もうボロボロの顔なのに、下は映らないからジャージ姿で、出演していたりすると、外出できないのに、スタジオとは繋がっているという、実に奇妙な経験を積んでいる。スカイプと電話の違いはよくわからないのだけど、間に入っているタイタンの小野寺さん曰く、あまりに短いコメントだけならば電話、ということらしい。たしかに、ヘアメイクさんがいるわけじゃないので、スカイプといえどこのボロボロな状態がさらされてしまうので、できれば、電話が助かる。そこまで気を回せないのが実情なのだけど、何か少しでも日本に情報をと思うと、引き受けてしまうのだ。そ
JINSEI STORIES 滞仏日記「フランス人はゴーンさんをこう見ている」 Posted on 2020/01/06 辻 仁成 作家 パリ 今日はイランとアメリカの緊迫した状況が気になり家でずっとテレビを見ていた。するとカルロス・ゴーンさんについての特集番組があった。その中に「風を読む(風の中)」という辛口批評人気番組があり、それがかなり的を得ていて面白かった。その説明の前に、まず、ネット新聞各紙のコメント欄の、一般のフランス人の反応をご紹介しよう。とくに今回のような歴史的ストライキをやっている労働者たちは当然、大金持ちのゴーンさんを敵視しているし、けっこう罵っている。ゴーンさんを肯定的に捉えているフランス人はほとんどいなかったし、代表的な意見としては、特権階級の一部の人間の悪いモデルで許せるものではない、というものだった。で、この「風を読む」でも、周囲の反対を押し切って(丸め込んで)
JINSEI STORIES 滞仏日記「フランスはなぜ消費税20%なのか」 Posted on 2019/09/27 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、行きつけのバーは官庁街にあるからか、フランス政府関係の役人の出入りも多い。今日、いつものように夕飯の買い物のあと、カウンターで飲んでると市役所で広報の仕事をしている常連客のケビンがやって来た。シラク大統領が亡くなったので、さっきまでバタバタしていた、とのことだった。 「そういえば、日本は今、消費税の引き上げ前で大変だね。3%から5%に引きあがった時の日本国民の怒りについての記事、何年か前に読んだことがある。普段、デモさえやらない日本人が消費税に対してあそこまで感情を表すのが不思議だった。でも、今度は10%だよね。どういうことになるのか関心があるんだ」 不意に消費税の話になったので、ぼくは即答できなかった。そもそも、専門的な話しなので、うかつに
PANORAMA STORIES パリ最新情報「フランスメディアを騒がす、新型コロナの正体」 Posted on 2020/04/18 Design Stories 某月某日、パリで連日、CNEWSやBFMTV、パリジャン、ルモンド紙など、フランスのほぼすべてのメディアが取り上げているのが「新型コロナは本当に武漢の市場から出現したのか?」という話題。この件について、マクロン大統領までもが、中国は何かを隠している、と匂わせる発言をし、今、テレビはどこを付けても、このニュースばかり。もともとあった話しだが、ここに来て再度、コロナウイルスの出どころが実は市場ではなく、武漢のウイルス研究所だったという流れに戻って来た。ノーベル賞を受賞したエイズウイルスの権威が登場し、新型コロナは人工的に作られたものだ、と言い切ったものだから、騒ぎに火がついた。 エイズ ウイルス(HIV)を発見したことで2008年
PANORAMA STORIES 家庭フレンチの定番を「チキンのソテー、クリームマスタードソース」 Posted on 2023/10/12 セギュール ちえみ(DS編集部) 料理好き パリ このお料理は、私がパリに暮らし始めた頃、初めてフランス人の友人宅に招かれご馳走になった思い出の一皿。 すっごく美味しいのにレシピを聞いたらとても簡単で驚きました。その後、日本から遊びに来た友人に振る舞ってみたところ、友人たちは帰国後もこの料理を作り続けているとのこと。 一体どんなお料理なの?と期待をもたせてしまいますが、これが、めちゃくちゃシンプルなのに、想像の上をいく美味しさ!なのです。 10分もあればできてしまうので、ぜひ作ってみて欲しい一品です。 チキンのクリームマスタードとしましたが、フランスではターキー(七面鳥)で作ることが多いです。ターキーはチキンよりも味が淡白でパサパサしているので、ちょ
PANORAMA STORIES パリ最新情報2、「仏保健大臣、生放送で2時間メモ見ず国民に説明する」 Posted on 2020/03/04 Design Stories フランス国営放送 FRANCE 2は昨夜、生放送で『コロナウイルス:心配しなければいけないのか?』という特番を組んだ。並んだのは、感染症センター所長、感染症専門医、SAMU(院外救急医療)医、ウイルス専門医、一般医、パスツール研究所所長、薬剤師、そして、連帯、保健省オリヴィエ・ヴェラン大臣だった。 大臣は冒頭で「ゴールデンタイムなので、より多くの国民にコロナウイルスについて知ってもらう事ができる。この機会を与えてくれてありがとうございます」と封切り、「フランスはこれまでも先手の対応をしてきたが、パニックにならない、恐れない、そのためにはコロナウイルスについて知ること、理解することが何より大切である」と続けた。 国民か
PANORAMA STORIES さむらいの志 Posted on 2017/03/05 岡崎 慎司 プロサッカー選手 スペイン・カルタヘナ どうして世間は海外に出て戦う選手に厳しくて、優しいのか? 同じことが選手側にも言える。わざわざ大変な思いをして海外までやって来て、半年や1年程度の短い在籍期間で、なぜ日本に帰ってしまうのだろう? 家族の問題や事情があるなら仕方ないことだが、せっかく海外でプレーする機会を手にいれておきながら、成果を出すこともなく、あっさりと帰国してしまうのはなぜなんだろう? ちょっと試合に出れないことが続いたくらいで、或いは、監督との相性とかが取り沙汰されたからって、俺には関係ない。その程度のことで日本に戻る気にはなれない。戻ればいいじゃないか、と世間に誘惑される。 世間はどうしてもっと応援してくれないのだろう? クラブだってそうだ。出て行った者に、何でそんな優しくす
PANORAMA STORIES 今だから思うこと Posted on 2017/11/12 岡崎 慎司 プロサッカー選手 スペイン・カルタヘナ もうずいぶんと昔のことになりますが、自分が初めてドイツに渡った時に、僕は自分の本当の弱さに向き合えたのです。 よその国でそこのチームに一日も早く馴染まなければ、一丸になれるよう誰よりも必死に努力しなきゃという思いばかりが空回りしていました。そして、いつの間にかチームに溶け込む事が目的になり、それが裏目に出て、自分らしさを失い、逆に自分はこんなに溶け込もうと頑張っているのに周りは何もしてくれないとグチりだし、仕舞いには、自分がミスれば周りの選手よりも厳しく叱咤される事に腹が立つようになったのです。 そうなると他の選手も監督も信用出来なくなるわけです。 その焦りや不安を解決してくれたのは時間です。そういう焦燥の日々の中で僕は考え続けました。そして追い
THE INTERVIEWS ザ・インタヴュー「無印良品の電気ケトルをデザインした深澤直人さんの思考旅」 Posted on 2022/04/11 辻 仁成 作家 パリ 深澤直人さんの名前を最初に知ったのは、無印良品からであった。 深澤さんがデザインをしたとは知らずに彼が携わった様々なデザインにこれまで長きに渡り触れていたことに気付かされ驚かされた。 それは押しつけがましくない、でも、静かな主張と強い信念を持ったデザインたちであった。 彼の作品の多くには、人間が無意識化で、共時的に悟っているようなデザインの原点が横たわっている。 かっこいいとデザイナーが考えて世に氾濫させたこの世界のもしかすると間違えた信号の嘘を見破ろうとするこの人の鋭く厳しい審美眼に私は着目した。 少し前にミラノで行われた深澤直人のインタビューをここに再掲載させていただく。 深澤さんの歩いてきた道のりを辿るのに、この時の
JINSEI STORIES 滞仏日記「BBCにできて日本のメディアにできないこと」 Posted on 2019/12/21 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、もはや日本だけではなく、フランスでも伊藤詩織さんの勝訴ニュースがル・モンド紙など各紙で大きく扱われた。この問題は日本で考えられている以上に欧州では大きな話題になっていることは間違いない。とくにお隣のイギリスではBBCがトップニュースに近い扱いをした。なぜ、330万円の賠償だけで済むのだろう、とか、権力側に近いジャーナリストだから逮捕されない、という論調まで、結構辛辣なものも含め、いろいろあって、昨日、カフェの日本贔屓のギャルソンからも、ちょっとあれだけは酷いね、と言われてしまった。日本の男としては残念で仕方ない。インドとかパキスタンからレイプのニュースが届くたびに、酷いなぁ、といつも思っていたけど、伊藤さんの場合は権力者と対峙する一
JINSEI STORIES 滞仏日記「フランスで生きたいと思う方々への温かい忠告」 Posted on 2019/04/27 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、今日は午前中ペンキ屋さんがやって来た。僕が東京に出張中のあいだに子供部屋と玄関に水漏れがあった。この国はなんでもまず保険会社が動く。とくにこの水漏れに関しては全て保険会社任せとなる。今回の水漏れは上の階の食洗器が原因だと判明した。面白いのは家の中での水漏れの場合、借主が払い、壁の向こう側が問題の場合は大家の保険が適応となる。今回の原因が食洗器だったので上の人の保険で支払うことになった。で、さらに面白いのは(実際には面倒くさいのは)僕の保険会社が全てをやらないとない、という点だ。とにかくそういうルールなのだ。僕の保険屋がペンキ屋と水道管屋に依頼し、検査をして見積もりを立て、それを僕の保険屋が上の階の人が入ってる保険会社に請求し、向こう
JINSEI STORIES 滞仏日記、2「息子がのめり込む高校生ブランドの可能性」 Posted on 2020/02/20 辻 仁成 作家 パリ 息子が中心となって同級生らを巻き込みスタートさせたブランド企画が日々、どんどんと具体化していて驚かされた。今日はいきなり試作品を見せられてしまった。仕事をしていると息子がやって来て、トレーナーを手渡された。背中の首のところに彼らのブランドのロゴマークが入っている。前面には大きなデザイン画と英語の文章が載っていた。 「パパの意見を聞きたい、どう思う?」 まずは軽く褒めた。つまり短時間で具体化しているその行動力は素晴らしい、と。次にデザインを批判した。悪くないし、それなりに今風なのだけど、でも、ハッと驚かされる斬新さがない、と。これはきちんと話をした方がいいと思い、知り合いのフランス人がはじめた中華レストランに食事に誘ったのだ。そこでぼくらは春雨
PANORAMA STORIES パリの螺旋階段、はじまりとデザイン Posted on 2022/10/08 ルイヤール 聖子 ライター パリ 曲線美が魅力の螺旋階段は、フランスのいたるところで見られます。 首都パリにもたくさんあって、アパルトマンや美術館、何気なく入ったカフェにも、本当に素敵なデザインの螺旋階段が設置されています。 フランス語では螺旋階段のことをescalier en colimaçon(エスカリエ・アン・コリマソン)と言うのですが、これはノルマン語でカタツムリを意味するカリマコン(calimachon)が語源なのだそうです。 フランスで螺旋階段が本格化したのは、中世時代のことです。 当時、石造りの建物ではすきま風がたくさん吹き込むため、階段は居室の外に作られていました。 とはいっても一般の住宅に取り入れられることはなく、主に設置されたのは要塞化されたお城であったそうで
PANORAMA STORIES 泥棒に押し入られたら、寝たふりをしないと命が危ない、パリの泥棒事情 Posted on 2020/02/15 Design Stories パリで気を付けなければならないのはスリだけじゃありません。怖いのは泥棒と強盗です。ホテルにもよりますが、よく物を盗まれます。私の知り合いが日本から来ると「携帯がない」とか「パソコンが消えた」というSOSの電話がしょっちゅう。ホテル内部の人がグルになってる可能性が高いと思ってください。私の知り合いで、ホテルの部屋に戻ったら、中に人がいて、「ソーリー」と言って出て行ったという出来事もありました。トランクごと盗まれることもありますが、携帯の充電器などは普通に持っていかれます。予約をする前に、ホテルの評価を確かめ、ユーザーのコメントで「泥棒にあった」と書かれてあるようなところは避ける方が無難でしょう。 私の知り合いの家に先日、
JINSEI STORIES 滞仏日記「これは差別か? ユーモアか? それとも?」 Posted on 2020/03/10 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、近くのスーパーに買い物に行った。レジでお会計をした。顔見知りの店員たちが全員、白いビニールの手袋をしていたので、あれ、ついに手袋はめるようになったの、と微笑みながら言ったら、その兄ちゃんが、「君たちがウイルスを持ってきたから身を守るためしゃーないんすよ」と笑いながら言った。それはジョークにもとれるし、差別にもとれる、微妙なブラックユーモアだったけど、ずらりと並んだフランス人客の視線をぼくは浴びることになった。 これが一月の末のことであれば「ちゃうちゃう、ぼく日本人だから」と言い返せたのだけど、3月初旬の今は日本人も間違いなく感染源グループに所属している。こういう時は店員と一緒に大笑いをして、ごまかすしかない。日本がPCR検査を積極的に
JINSEI STORIES リサイクル日記「意外に楽になる、フランス流絶交の仕方」 Posted on 2022/08/10 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、フランス人の絶交の仕方はかなりユニークである。 一度仲たがいするとほぼ復縁はあり得ない。 日本のように悪口陰口を言われ続けるということもないが、絶交はまさに断絶となる。 たとえば絶交をしたら、どうなるのか・・・。 これがフランス人の面白いところで、街角とかバーとかで会っても、目を合わせない。←子供っぽい・・・。 視線が頭一つくらい微妙にずれたまま、狭い歩道とかで、とにかく、めちゃ器用にすれ違うのである。 お互い、もちろん、そこにいることは分かっているのだけど、分かっていても、とにかく、見ないのである。 ぶつかりそうな距離でも、決して視線は交わらない。 フランス人はマジでこういう子供っぽいことをやる。 彼らは断絶をすると視界から相手を
JINSEI STORIES 自主隔離日記「SOSの電話をかけてきた息子と向き合う」 Posted on 2020/10/18 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、夕食でも食べようかな、と思ってキッチンにいたら、不意に携帯が鳴りだした。誰からだろうと覗くと息子からだった。 これは本当に珍しいことだった。 親友のアンナの母校の先生が18歳のテロリストに首を切り落とされた事件、だんだんわかってきたことがあり、胸を痛めていた。 先生はアンナの家からすぐ目と鼻の先の路上で殺されたのだ。 ショックを受けているだろう息子からの、これはいわばSOSの電話であろう。 頼られたことは嬉しかったが、どう、彼と向き合うべきか悩みながら、携帯を掴んだ。 「お前が今しなければならないことは、彼女らの心の支えになることだよ」 「うん」 「そのためには君が誰よりもしっかりとしなきゃだめだ。わかるかい」 「うん」 返事なんか
JINSEI STORIES 滞仏日記、2「ニコラくん、学校で虐待を受ける」 Posted on 2020/01/29 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、Liberté, Égalité, Fraternité 「自由、平等、友愛」を掲げるフランス。 フランス革命時のスローガンの一つであったこの言葉をもとに、フランスという国は成り立っている。 先日、ニコラが遊びに来た時、不意に、「学校がつまらない」と言い出した。その日はデモで学校が休みだったのだ。いつものごとくニコラのお母さんが辻私設保育園(笑)にこの子を預けていった。ところが、昼ごはんを食べた後、不意におかしなことをいいだした。「ぼくは白帯だから、校庭で遊ばしてもらえないの」…自分の訊き間違いもなるので、何度も訊きかえした。子供たちが色分けされているのだという。これ、ちょっと変だ、と思ったので、その夜、彼のご両親にそのまま伝えた。するとお
THE INTERVIEWS 坂 茂「まず行動する建築家」前編 Posted on 2016/11/13 辻 仁成 作家 パリ 世界的に高名な日本人建築家は数多くいるけれど、この人ほど建築家の使命感について考えている人は少ない。 その姿勢は取材したこちらが驚くほどに強い意志と博愛精神によって貫かれている。 世界各地で震災が起こればすぐさま駆け付け、もちろん自費で、しかも熊本震災の時などは大分市内で借りた大型トラックを自ら運転、学生たちを引き連れ、誰よりも早くたくましく現地に急行した。 建築界のノーベル賞とも言われるフリツカー賞を受賞しているとは思えない行動力である。 偉くなっていけば先生や大家になって終わる人が多いのに、この男は最前線で指揮をとり、建築家に今出来ることを模索し続ける。まさに行動の建築家である。 この人に私は興味を持ち、彼の活動を追い掛け、熊本の被災地へと飛んだ。 益城、御船
欧州最新情報 パリ最新情報「フランスで流行が懸念されるインフルエンザ。第8波と同時進行する恐れも」 Posted on 2022/10/09 Design Stories コロナ第8波が押し寄せるフランスでは、10月7日(金)、新たに61,121人の新規陽性者が報告された。 国内では東部と北部で流行が広がっており、年齢層では70歳以上の感染が顕著だという。 しかし気になるのは、感染性胃腸炎・インフルエンザといった季節性の感染症が、フランスでコロナウィルスと同時に増加していることである。 特に仏保健当局は、この冬にインフルエンザが大流行することを懸念している。 過去2年間、人々はマスクをし、手洗いやうがいなどを徹底していたためインフルエンザが流行することはなかった。 ところが南半球のオーストラリアでは今年に大流行が起こったといい、件数にしておよそ3万件もの報告があった。 オーストラリア冬期の
JINSEI STORIES 滞仏日記「新型コロナ、軽度の感染から快復された方の手記」 Posted on 2020/04/10 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、今日、編集部に大変貴重な手記が届けられた。パリ市内で新型コロナに感染をし、そこから快復をされた人の実に詳細な記録である。この方は重症化されることもなく、よって集中治療室に入ることも、入院もされていない。実は、このような軽症の方ばかりなのである。知っている人たちの中からも感染者が出はじめ、新型コロナの広がりに驚いていたところに、舞い込んだのが、感染から快復までを細かくつづったOさんからの手記であった。ご本人が日々不安な思いで悩んでいる日本の皆さんに届けたいということで実名を伏せてご紹介させていただく。 日本と同じで、今日現在のフランスは簡単にPCR検査を受けることが難しい。(感染者が多いからというのが大きな理由のようだ)じゃ、どうや
JINSEI STORIES 滞仏日記「みんなで力を合わせて乗り切るために」 Posted on 2020/04/18 辻 仁成 作家 パリ 某月某日、朝起きてツイッターをチェックしたら、8割おじさんこと厚労省クラスター班の西浦博先生からお返事が入っていて、びっくりした。西浦さんへの公開質問(昨日の日記を参照されたし)は簡単に言うと「緊急事態宣言だけで人との接触8割減が実現できると思われますか?」というものであった。この先生の生き方を調べる限り、日本や日本人や世界の人々のことをまず何よりも必死に思ってくださる損得のない方だと思ったので、実は心のどこかでお返事が戻ってくるのじゃないか、と思ってもいた。そして、実際によく理解出来るお返事が戻って来たので、ここにご紹介させていただく。 『@TsujiHitonari より強い方策についても頭の体操をしてもらいましたが日本の特別措置法の45条1項だ
PANORAMA STORIES ペスト大流行時代と現代の驚くべき類似点! Posted on 2020/03/21 Design Stories 3月17日正午から、外出制限令が出され、国が閉鎖状態となったフランス。マクロン大統領がテレビで「フランスはウイルスとの戦争状態にある」と繰り返し、それまでどこか「大丈夫」という雰囲気だった街の空気は一変した。市民の大半は外出制限を守り、外出している人はマスクをつけ、手に使い捨ての手袋をして歩いていたりする。道に使い捨ての手袋が捨てられているなんて、今までに見たことのない光景だった(ポイ捨て癖は相変わらず治らない)。薬局やスーパーからは消毒アルコールジェルや使い捨て手袋、目や鼻を掃除するセラムやうがい液まで、洗浄系の商品はごっそり売り切れている。昨日まで家の中でも靴を脱がない生活をしていた人々が、今は靴を玄関で消毒し、ドアノブをはじめ、家中を殺菌
自分流塾「長い人生、夢の引退や夢からの卒業も必要な時がある」 辻 仁成 Posted on 2023/12/05 New
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