サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
GPT-4o
www.udiscovermusic.jp
プログレッシヴ・ロックの正典から選び抜いたベスト・ソングに目をやると、人生のあらゆる重要事項について歌われた曲が見つかるだろう。精神の旅、永遠の愛、高速レーシングカー、そして小便のかかった雪を避ける必要性。もちろん不滅のギター及びシンセサイザー・ソロ、そして、思わずスパンコールがあしらわれたケープを羽織ってしまいそうなほど多用されるトリッキーな拍子記号だ。 このジャンルの音楽を30曲に絞り込むのは簡単ではなかったが、少なくとも、かなり長めの曲をいくつか挙げている。さらには、大作と遜色のない4~5分の曲もいくつか加えている。 この記事は、長年の歴史の中で生まれたプログレッシヴ・ロック最高峰の楽曲を選んだものだ。多様性を考慮して、同じバンドを2回以上登場させることは避けた。さぁ、ヘッドフォンの音量を上げて、宇宙へと旅立とう。 楽曲はプレイリストでも展開中(Apple Music / Spoti
シリーズ累計920万部超の大人気ジャズ漫画「BLUE GIANT」(原作:石塚真一)が、2013年の連載開始から10年の時を経て遂にアニメーション映画化され2023年2月17日から大ヒット上映中だ。 “音が聞こえてくる漫画”として数々の口コミと共に高く評価されてきた「BLUE GIANT」だが、今回音楽を担当したのは世界的ピアニストの上原ひろみ。今回、主人公・宮本大たちが結成するトリオ“JASS”のオリジナル曲だけでなく、劇伴音楽をほぼ全曲書き下ろし、演奏及びサウンド・プロデュースを務めている。また、映画と同日に発売されたサウンドトラックは、日本のiTunes Storeで総合アルバム・ランキング1位、オリコンデイリーアルバムランキングで2位を獲得している。 「最大の音量、最高の音質で、本物のジャズを届けたい」というスタッフの情熱が込められた映画『BLUE GIANT』。劇中に登場するジャ
基盤となる部分が変われば、その上に置かれるものにも影響が及ぶ ―― それは物理と音楽の両方における基本原理である。1970年代後半から1980年代前半にかけてのイングランドでは、そのことが特に顕著だった。1960年代の革新的なベーシストたちのプレイが、ポスト・パンクやニュー・ウェーヴのサウンドに応用されるようになったのである。 <関連記事> ・早弾きだけじゃない、新たな方向性を開拓した80年代のギター・ヒーロー ・プログレッシヴ・ロック界のベーシスト・ベスト20 ・史上最高のベーシスト・ベスト50 エルヴィス・コステロとブルース・トーマス クラッシュ、セックス・ピストルズ、ダムドといったグループは、UKパンク界が送り込んだ第一の軍勢にすぎなかった。狡猾なミュージシャンたちは、そのあとで次なる一手を模索し始めたのである。「White Riot(白い暴動)」や「God Save The Que
時は1977年。ブライアン・イーノとデヴィッド・ボウイは、ベルリンで『Heroes』の制作に勤しんでいた。そんなある日、イーノは新発売の7インチ盤を興奮気味に掲げながらスタジオに駆け込み、ボウイにこう熱く語った。 「このシングルはこの先15年のあいだ、クラブ・ミュージックのサウンドを一変させるよ」 そのシングルこそがドナ・サマーの「I Feel Love」だった。彼の言葉は確かに正しかったが、このコメントには2点の訂正が必要だ。つまり、“この先15年のあいだ”を“永久に”、そして“クラブ・ミュージック”を“あらゆる音楽”に変える必要があったのだ。 <関連記事> ・夫ブルース・スダノが語るドナ・サマー「私の知る限り、誰よりもすばらしい人物」 ・ドナ・サマーの新EP『Any Way At All』が“国際女性デー”にあわせて配信 Donna Summer – I Feel Love ジョルジオ
1973年8月11日はヒップホップ誕生日とされている。クール・ハークと妹のシンディ・キャンベルが、ニューヨークのブロンクスでパーティーを開き、ヒップホップの音楽と文化が誕生した歴史上重要な日とされ、米国上院では8月11日を「ヒップホップ記念日」として制定した。 今年の50周年の日に合わせて、ライター/翻訳家の池城美菜子さんが全5回にわたってヒップホップを紐解く短期集中連載を実施。第2回は「ヒップホップと資本主義」について。 ヒップホップ生誕50周年を記念したプレイリストも公開中(Apple Music / Spotify / YouTube)。 <関連記事> ・【連載第1回】ヒップホップとは何か、その定義とは ・【連載第3回】:いまさら聞けないヒップホップの地域分類とサブジャンル ・グラミー賞にてHIPHOP50周年を祝う盛大なトリビュートが披露 ・50周年の年に考える、ジャマイカの影響と
ヒップホップやR&Bなどを専門に扱う雑誌『ブラック・ミュージック・リヴュー』改めウェブサイト『bmr』を経て、現在は音楽・映画・ドラマ評論/編集/トークイベント(最新情報はこちら)など幅広く活躍されている丸屋九兵衛さんの連載コラム「丸屋九兵衛は常に借りを返す」の第46回。 今回は、今から50年前となる1974年のチャートで話題となったソウルとファンクの名盤について。 <関連記事> ・【動画付】1974年に発売されたアルバム・ベスト68 ・【動画付】1984年に発売されたアルバム・ベスト64 ・【動画付】1994年に発売されたアルバム・ベスト69 ・ベスト・アルバム・ランキング記事一覧 1970年代は米ブラック・ミュージックが最も熱かったディケイドの一つ。というわけで今から50年前にあたる1974年のブラック・ミュージック界を見てみよう。 取り上げる7作品とは、ビルボードの「Hot Soul
ベーシストというのは、昔からバンドの中でも“静かな男”というイメージが強く、映画『スパイナル・タップ』に登場するデレク・スモールズにいたっては“ぬるま湯”のような役割だとさえ言い放っている。 しかしながら、プログレッシヴ・ロックというジャンルに括られるベーシストでこの例に当てはまる人物はほとんどいない。彼らは素晴らしいリフを弾いたり、パワフルな低音で演奏を支えたり、時には目も眩むようなソロを披露したりすることさえあるのだ。 ここではそんなプログレッシヴ・ロック界を代表する名ベーシストたちを紹介していきたい。4本の弦(場合によっては、その数は8本や12本ということもある)を操ってプログレ・サウンドの根幹を支えるミュージシャンたちを讃えていこう。 なお、下記のリストから漏れていると感じるプログレッシヴ・ロックの名ベーシストがいると感じられた方は、ぜひ下のコメント欄を通じてその名前を教えてほしい
テクノロジーの発展が音楽から魂 (ソウル) を奪ったというのが1980年代のポップ・ミュージックに関する通説となっている。しかしながら実際には真逆だった。シンセサイザーやドラム・マシンが使用されてはいたものの、1980年代ポップのサウンドは十分にソウルフルだった。元々、ポップやロックのアーティストの多くはそもそも、ソウル・ミュージックからインスピレーションを受けてそのスタイルとキャリアを形成していた。 一方でまた、ジャンルを越えて、ニュー・ウェイヴや1980年代ポップのテイストを取り入れたR&Bのミュージシャンも決して少なくなかった。そして当時の大物たちの中にも、ポップとソウルの境界を自在に往来し、一定のジャンルに収まることのないサウンドを奏でていたアーティストがいた。 <関連記事> ・モータウン・レコードがキング牧師の名演説をレコード化した経緯 ・女性たちの社会進出を後押したモータウンと
YouTube: Rock & Roll Hall of Fame / Mick Jagger Inducts The Beatles into the Rock & Roll Hall of Fame | 1988 Induction ザ・ビートルズ(The Beatles)が、“最後のビートルズ・ソング”「Now And Then」、そして1973年に発売された2つのベストアルバム『The Beatles 1962-1966』(通称:赤盤)と『The Beatles 1967-1970』(通称:青盤)の2023年ヴァージョンをリリースすることが発表となった。 この発売を記念して、ザ・ビートルズやザ・ビートルズのメンバーが“ロックの殿堂入り”を果たした際の授賞式でのスピーチの翻訳を連続してご紹介。 本記事では、ザ・ビートルズがロックの殿堂入りを果たした1988年の授賞式におけるザ・ビート
2023年2月、全米全英アルバムチャート3位(全英では自己最高位)を記録した最新アルバム『The Sick, The Dying…And The Dead!』を引っさげたジャパンツアー中のメガデス。そんな彼らが2月27日には自身初となる日本武道館公演を開催。元メンバーのマーティ・フリードマンがゲスト参加しての約24年ぶりの共演が話題となっている。 そんなメガデスが奇跡的な一夜について、音楽評論家の増田勇一さんによるライヴ・レポートを掲載。 あわせてこの日のライヴのセットリストがプレイリストとなって公開されている(Apple Music / Spotify)。 <関連記事> ・【独占インタビュー】メガデスのデイヴ・ムステインが新作について語る ・メガデス、初の武道館公演への意気込みや癌を乗り越えた新作アルバムの制作を語る ・メガデス、2/27の日本武道館公演で、マーティ・フリードマンとの共演
謎に満ちたジャズ・サックス奏者/作曲家のウェイン・ショーター(Wayne Shorter)は、ジャズ・ロックやフュージョンの生みの親の一人でもある。そんな彼が、2023年3月2日、ロサンゼルスの病院で亡くなったと広報担当者がニューヨーク・タイムズに伝えた。89歳だった。彼は、3番目の妻であるキャロライナ・ドス・サントスと娘のミヤコを残してこの世を去った。 先達のジョン・コルトレーン同様、ウェイン・ショーターはソプラノ・サックスの人気向上に大きく貢献した。ソプラノ・サックスはメロディーを奏でるだけでなく、浮世離れした不気味な音色を出すのにも打って付けの楽器だ。 ショーターは1950年代後半のハード・バップ・シーンでテナー・サックスを演奏して経験を積んだあと、1960年代に発展したポスト・バップ・ジャズ界の中心人物として名を馳せた。その時期には一連のソロ・アルバムをブルー・ノートから発表したほ
ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)が、18年ぶりとなる新作スタジオ・アルバム『Hackney Diamonds』を2023年10月20日に発売することを発表した。 この発売を記念して彼らの過去の名曲を振り返る記事を連続して掲載。 <関連記事> ・ストーンズ、18年振りのスタジオアルバム『Hackney Diamonds』を10月に発売 ・ザ・ローリング・ストーンズが18年振りの新作発表会見で語ったこと ・ピート・タウンゼントによる“ロックの殿堂”紹介スピーチ掲載 1年という期間があれば、さまざまなことが起こるものだ。1967年、“サマー・オブ・ラヴ”が色鮮やかに花開くと、万華鏡のように目くるめく楽曲の数々がその文化を彩った。そしてそういった楽曲群は、複雑なサウンドと現実離れした世界観によって、五感を刺激するドラッグの幻覚状態を再現していた。 この年、ジェファ
Ed Sullivan and Coretta Scott King - Photo courtesy of SOFA Entertainment 1966年生まれの詩人、ジャーナリスト、人権活動家、映画監督兼作家であるケヴィン・パウエル氏による寄稿を掲載。 彼は詩集『Grocery Shopping with My Mother』をはじめ、これまでに15冊の著作を発表しており、近く2パックの伝記も出版の予定。現在はニューヨークのブルックリンに暮らし、同地を拠点に活動を続けている。 <関連記事> ・シュープリームスのオリジナルメンバー、メアリー・ウィルソンが逝去 ・ダイアナ・ロスのシュープリームス脱退、ラスベガスでのさよならコンサート エド・サリヴァンという人物のイメージ 私がエド・サリヴァンという名前を初めて耳にしたのがいつだったか、正確に思い出すことはできないが、1970年代か1980
2019年10月4日に日米で公開された映画『ジョーカー』。ヴェネツィア国際映画祭での金獅子賞受賞を皮切りに、全世界で絶賛の声がやまず、アメリカでも日本でも興行収入初登場1位確実となっているこの作品内で使われる音楽について、映画や音楽関連だけではなく、今年3月には2作目となる小説『インナー・シティ・ブルース』も発売されるなど幅広く活躍されている長谷川町蔵さんに寄稿いただきました。 ゴッサム・シティ。神経系統の病気でとつぜん笑い出す病気を抱える青年アーサー・フレックは、愛想を振りまくピエロとして働きながら、老いた母と慎ましく暮らしていた。彼の夢は、いつかスタンダップ・コメディアンとして、人気司会者マレー・フランクリンのナイトショーに出演すること。しかし偶然が重なってピエロの仕事をクビに。おまけに財政困難に陥っているゴッサム・シティの福祉サービス削減のため、薬の支給まで打ち切りになってしまう……
かつてディー・ライト(Deee-Lite)は自身のデビューアルバム収録曲にて「グルーヴは心の中にある (groove is in the heart)」と歌ったが、それ以前に、グルーヴは聴く者の腹の底に響くものだ。これは、どんな音楽を聴いている場合にも。たとえそれがレゲエだったとしても、メキシコのランチェラだったとしても当てはまる。リズムがなければ、それは中身のない音楽も同然である。 しかし、たちまちにして新たな音楽ジャンルを創始してしまった一連の革新的なグルーヴは、いったいどのように生まれたのだろうか? 特徴的なビートを中心とした独自のジャンルが突如として誕生する ―― そんな手品のような出来事が、音楽の歴史の中で幾度も繰り返されてきたのである。 一方で、しかしその新しい音楽が流行すればするほど、騒動の中でその起源が忘れ去られてしまうことも多くなる。ここでは、まったく新しい音楽の世界を切
日本時間2021年1月21日に行われたジョー・バイデンとカマラ・ハリスの大統領・副大統領就任式。式典とともに米時間夜に放送された特番『Celebrating America』には多くのアーティストが参加しました。そのパフォーマンスを全てご紹介します(登場順) <関連記事> ・ニュー・ラディカルズ、ジョー・バイデンとカマラ・ハリスの就任式で再結成 ・レディー・ガガ、ジョー・バイデンとカマラ・ハリスの就任式で国歌斉唱 就任式(The Inauguration of Joe Biden and Kamala Harris) レディー・ガガ「The Star Spangled Banner」(アメリカ国歌)
弱冠25歳ながら、売り上げ、人気ともに現在世界最高の女性アーティストとなったアリアナ・グランデ。2018年8月発売した4作目のアルバム『Sweetener』から半年の期間で発売された5作目のアルバム『thank u, next』は2作連続1位を獲得、ザ・ビートルズ以来となる全米シングルチャート1位~3位を独占するなど大きな話題となっている。 そんな彼女の今までの歩みや彼女が影響を受けたアーティスト、そしてフェミニズムの観点から音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんに寄稿いただきました。 *あわせて読みたい:「フェイクな笑顔なんてファック」アリアナ・グランデの本心が詰め込まれた『thank u, next』とラッパー的アプローチ by 渡辺志保 ひとりは愛を教えてくれた / ひとりは忍耐を教えてくれた ひとりは痛みを教えてくれた / そしていま、私は素敵になった たくさん恋をして、たくさんのことを
何百時間も頭を悩ませ、数え切れないほどレコードを聴いてついに完成した、これまでで最も野心的で、 (願わくは) みなさんを最もわくわくさせてくれる ―― そんなリストをご覧に入れよう。史上最高のロック・アルバムのランキング・べスト100である。 はじめにその選定にあたって定めたルールを説明しておこう。まずリストにおいて、できる限りロックの歴史を網羅するが、一方でそれぞれのアルバムがリリースから数年経ってもまったく色あせていないことを条件とした。また”ロック”の定義をかなり限定的に解釈し、主にギターを中心とした音楽としている。しかしながら、それがあまりにも重要なアルバムであった場合には、少数だが例外としたセレクトしたアルバムもある。 要するに、基本的にはブルース、カントリーやR&Bは (それらがロックに与えた影響の重要性は認めつつも) このリストに含まれていない (厳密にはR&Bに分類されるよ
Rock & Roll Hall of Fame YouTube / Flea inducts Metallica Rock and Roll Hall of Fame Inductions 2009 2023年4月14日に発売されるメタリカ(Metallica)にとって12枚目、そして6年4か月ぶりとなるスタジオ・アルバム『72 Seasons』(予約はこちら)。 この久しぶりのアルバムの発売を記念して、2009年にメタリカがロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)入りを果たした際に、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト、フリーによる祝福スピーチの全文を掲載。 <関連記事> ・メタリカ、6年4か月ぶりの新作アルバム『72 Seasons』2023年4月に発売決定 ・『ストレンジャー・シングス』と音楽たち:リバイバルヒットを生むドラマ レッチリのフリーが
世界中はもちろんのこと、ここ日本でも2019年3月25日現在で興行収入125億円を記録し、2018年公開全映画の中で1位、そして日本の歴代映画興行収入では18位となったクイーンを描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』。この映画の字幕監修を担当した音楽評論家の増田勇一さんに、字幕監修について寄稿いただきました。 本年度のアカデミー賞最多となる4部門での栄冠に輝いた『ボヘミアン・ラプソディ』。その快進撃はいまだに止まるところを知らず、興行収益記録の更新を続けている。実のところ「120億を超えた!」などと言われても、あまりにもその数字自体が現実離れしていてピンとこないところがあるのだが、この日本国内だけですでに、のべ900万人近い人たちが劇場に足を運んでいるという事実にはリアルな驚きが伴う。もちろんリピーターが多いこともヒットの要因のひとつではあるわけだが。 筆者はこの映画に、字幕監修者として関わ
プログレッシヴ・ロック・バンド のベスト50をリストアップすることは、野心的なプロジェクトである。もっとも、優れたプログレッシヴ・ロックは常にある種の野心を描いているのだが。 このリストでは、プログレッシヴ・ロックとその主要なサブジャンルを描き出すことに挑んだ。だが、これは厳格な“バンド”のリストであり、ソロ・アーティスト(あるいは、通常自身の名前で活動していたアーティスト)は含まれていない——申し訳ない、ザッパとオールドフィールドの両氏。次の機会にはぜひ。モダン・バンドも、そして70年代が終わると消えてしまったバンドもいくつか選出しているが、上位にしたのは複数の創造的時代を股にかけて活動したバンドだ。 何がプログレッシヴ・ロックで何がそうでないかを線引きするのは少々難問だった。ヨーロッパ的なアプローチをしつつ、基本的にブルースを基調にしていないバンドを優先した。つまりはレッド・ツェッペリ
2020年5月25日、ミネアポリスでアフリカ系男性ジョージ・フロイドさんが、警察官によって首を圧迫されて亡くなりました。その光景を捉えた映像は即時に広がり、アメリカでは各地で大規模な抗議運動が展開、一部が暴徒化して、暴動、そして略奪が起きている地区もあります。 繰り返される人種問題と、そして抗議運動「Black Lives Matter」について、アメリカで21年間生活していたライター/翻訳家である池城美菜子さんに解説いただきました。 <関連記事> ・パブリック・エネミー結成35年後の脱退劇の真相と米大統領選 ・プロテスト・ソング特集:人種差別や偏見に立ち向かった歌の歴史 ・モータウンと社会問題:政治やプロテスト・ソングと人々が自由になるための手助け プリンスが愛したミネアポリスが燃えた。 1965年のワッツ、1967年のデトロイト、1992年のロサンゼルス、2014年のファーガソン。終わ
2023年2月、最新アルバム『The Sick, The Dying…And The Dead!』を引っさげてのジャパンツアーを行ったメガデス。バンドのリーダー、デイヴ・ムステインが日本滞在中の3月1日にTwitterスペースにて行った来日公演の振り返りで、彼が語ったことを抜粋してお届けします。 来日公演セットリストはプレイリストとなって公開されている(Apple Music / Spotify)。 <関連記事> ・【独占インタビュー】メガデスのデイヴ・ムステインが新作について語る ・メガデス、初の武道館公演への意気込みや癌を乗り越えた新作アルバムの制作を語る ・メガデス、2/27の日本武道館公演で、マーティ・フリードマンとの共演が決定 ――いまのご気分はいかがですか? デイヴ・ムステイン: 首は痛むし、指先も痛む。だけど大丈夫だ。これは俺が練習しないせいだからね。前にも話したと思うけれど
1973年8月11日はヒップホップ誕生日とされている。クール・ハークと妹のシンディ・キャンベルが、ニューヨークのブロンクスでパーティーを開き、ヒップホップの音楽と文化が誕生した歴史上重要な日とされ、米国上院では8月11日を「ヒップホップ記念日」として制定もされた。 今年の50周年の日に合わせて、ライター/翻訳家の池城美菜子さんが全5回にわたってヒップホップを紐解く短期集中連載を実施。第1回はその定義について。 ヒップホップ生誕50周年を記念したプレイリストも公開中(Apple Music / Spotify / YouTube)。 ・連載第2回:ヒップホップと資本主義:なぜ、そこまで金銭にこだわるのか ・連載第3回:いまさら聞けないヒップホップの地域分類とサブジャンル <関連記事> ・米国上院にて8月11日を「ヒップホップ記念日」にすることが制定 ・グラミー賞にてHIPHOP50周年を祝う
たったひとりですべての役割をこなしてしまう”ワンマン・バンド”と聞いて、映画『メリー・ポピンズ』(1964年)でディック・ヴァン・ダイクが演じた踊り跳ねる煙突掃除屋をイメージするのはいささか的外れかもしれない。ここでは、たとえばスティーヴィー・ワンダーのような、才能あるマルチプレイヤーを思い出していただきたいと思う。彼はキーボードやハーモニカなどどんな楽器も巧みに操ることのできる最も優れたワンマン・バンドのひとりであるばかりか、音楽の世界における最もクールで、最も才能に恵まれた人物のひとりでもある。 トップで活躍するミュージシャンたちの中には、多彩な楽器を労もなく演奏できる人が本当に数多くいる。カーティス・メイフィールド、PJハーヴェイ、デイヴ・グロール、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッド、ラッシュのゲディー・リー、アリシア・キーズ、ロイ・ウッド、ザ・ローリング・ストーンズのブライア
ヒップホップやR&Bなどのブラックミュージックを専門に扱う音楽情報サイト『bmr』を所有しながら音楽評論/編集/トークイベントなど幅広く活躍されている丸屋九兵衛さんの連載コラム「丸屋九兵衛は常に借りを返す」の第11回は、アフリカン・アメリカンが多くリベラルなヒップホップのコミニュティにおいて、そこから逸脱するカニエ・ウェストや他のアーティストたちを紹介。 *コラムの過去回はこちら *丸屋さんのトークイベント情報はこちら ブラック・ミュージックの世界は、とても移り変わりが激しい。だが、アーティストの人格的(?)なイメージは、初登場時のインパクトのまま持続するのが普通である。それほどに、第一印象というのは変えがたいものなのだ。 数少ない例外を挙げるなら……80年代から2ライヴ・クルーを率いて全米を震撼させるほどのスケベ曲を連発しながら、その裏では恵まれない子供を支える等の善行を積んでいることが
Steve Hackett and Mike Rutherford (Photo: Ellen Poppinga - K & K/Redferns) プログレッシヴ・ロックと言われて真っ先に頭に浮かぶのは、マントを羽織ったキーボード奏者がモーグに繋いだケーブルの海を航行する姿である。それにもかかわらず、プログレッシヴ・ロック界の中枢メンバーは常にギタリストであり、ハード・ロックやメタルに並ぶほど多くの大地を揺るがすギター・ソロがプログレッシヴ・ロック界でも簡単に見つけられるだろう。 時にそれらのプログレッシヴ・ロック・ギタリストたちは自分たちのバンドのリーダーや首謀者であり、時にそれらの宇宙飛行を安定させるプレイヤーたちなのだ。この記事は、プログレッシヴ・ロック界の重要ギタリストたちに敬意を表するものである。 *プログレッシヴ・ロックのベスト30曲プレイリスト展開中(Apple Music
Close-up of Bo Diddley's Gretsch Guitar from the Hard Rock Cafe Collection - Photo: Richard Ecclestone/Redferns ボ・ディドリーからビョークにいたるまで、ミュージシャンはしばしば楽器を自作してきた。こうしたカスタムメイドの楽器は奇妙なものもあるかもしれないが、アーティストの頭の中には浮かんでいても既存の楽器では表現できなかったサウンドを実現する手助けをしてきた。 本稿では、音楽史でも特にアイコニックで興味深い自作楽器のベスト10点を順不同で紹介しよう。読者の皆さんも、この他にお気に入りのカスタムメイド楽器があれば、ぜひご紹介いただきたい。 <関連記事> ・トム・ウェイツによるアイランド・レコード時代の5枚を解説 ・ザ・フー『Who’s Next』10枚組ボックスが発売決定 1. ワ
1985年に結成されたヒップホップ・グループ、パブリック・エネミー(Public Enemy)。そんなグループが米大統領選の民主党候補を決める争いをしている候補者の一人、バーニー・サンダースの応援パーティーへの参加で揉めた結果、中心メンバーのフレイバー・フレイブ(Flavor Flav)が脱退したことが日本でも話題となりました。 そんな政治に近い存在のグルーブ、パブリック・エネミーの歴史と、大統領選とミュージシャンとの関係について、ライターの池城美菜子さんに執筆いただきました。 バーニー・サンダース応援大会での出来事 2020年は、4年に1度の米大統領選挙の年にあたる。11月3日の投票まで8ヶ月ある3月上旬の争点は、共和党のトランプ大統領を迎え撃つ民主党の指名を受ける候補者の選定。今年に入って候補者乱立の様相を呈していたのが、いまの時点で5人に絞られ、実質上は2人の闘いになる見通しだ。 1
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『uDiscoverMusicJP:“聴く探検する遊ぶ”音楽を発見するサイト』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く