――アニメーション制作をLLP(共同事業組合)方式で実行することで、注目を集めていますが。 森 日本では、まだ「LLPとは何だ」というところから話が始まりますけど、海外では受けがいいんです。「リミテッド・ライアビリティー(有限責任)」と言えば、どんなものか理解されるので、話が通りやすい。 LLPに目をつけたのは、これまで日本の映画やアニメで使われていた「製作委員会」方式に問題が少なくなかったこともあります。クリエーターにしてみれば、企画から制作まで手がけたのに、(出資比率で利益配分されるため)取り分が少ない。LLPは、利益の配分に自由度がありますから。 まだLLPは、仕組みとして明確でない部分も残っていますが、出資者への損金計上が可能だったり、メリットが多いんです。だから、試行錯誤は必要ですが、早く使ってみて、他の人たちのお手本になろうと。そんなこともあり、東京都と組んで、アニメ制作を目指
人生のゲームバランス 「地球温暖化のせいですかね」 と私が言ったときには、今から思うとだいぶ余裕があった。私は先輩と二人、大雨の降る中、バス停の小さな屋根の下に閉じ込められていた。 「おいおい大西、すごいね」 と先輩がつぶやく。私がすごいのではない。すごいのは空模様だ。出張先の会社を出てすぐ、ぱたぱたと落ち始めた雨が、バス停にたどり着いた直後、音を立てて降り始め、気がつけば大雨と言っていい状態になっていた。午後のまだ早い時間なのに空は真っ暗だ。空が一瞬光ったと思うと、どかん、という音がする。雷だった。ひゃ、と先輩が小さく悲鳴をあげる。 「おっ、とっとっ」 ざあっ、と雨がひときわ激しさを増し、私はそんなことを言って、地面に置いていたリュックを持ち上げ、背負い直す。この鞄には出張に使った非常に重い装置が入っていて、どれくらい重いかと言うと四歳になる私の娘と同じくらいの重さなので、できれば背負い
本日は、歴史人口学のお話です。 伝統的な歴史学は、マルクス主義の影響を強く受けていたり、イデオロギー的な部分を多く含んでいたわけですが、それに対する批判・克服として台頭したのが歴史人口学です。 従来の歴史学においても、人口というのは、極めて重要な位置をしめているのですが、歴史人口学においては、フランスでは教区記録、日本では宗門改め帳を史料として使うことによって、当時の人々の生死、出産、結婚離婚などにまつわる諸指標を算出することを目指しました。 これは、従来の歴史学における構造研究への偏重への批判・再考を促すものだったのですが、歴史人口学の研究の発展の結果、当時の民衆の生活史の復元が可能になったのでした。 皆さんが、学校で習うような歴史は、歴史の中において、比較的文献資料を残した人々の歴史です。ですから、日本史であれば、主に貴族の歴史、あるいは武家の歴史といってしまったほうがいいものです。ほ
7月1日〜4日にカリフォルニアのアナハイムで行われていた「アニメ・エキスポ」は北米最大のアニメイベント。 去年に引き続いてのアニメ!アニメ!さんの詳細レポートや、ULTIMO SPALPEENさんの「アニメエキスポ2006、始まりました――日米エド共演ならず」、「アニメエキスポ、続いています」、「アニメエキスポ2006・3日目――コスプレ・コンテスト」 などを読んでも現地の雰囲気は伝わってくる。 北米でのアニメDVDの売上は落ち込んできているのにもかかわらず、アニメコンは依然として盛り上っているようだ。 ICv2の7月5日の記事「アニメエキスポ、2日目で入場者数新記録("Record Crowds at Anime Expo: After Only Two Days")」より要約。 2006年7月1日から4日までカリフォルニアのアナハイムで行われた「アニメ・エキスポ」は大成功に終わった。4
大澤真幸によると、戦後の日本に流行したミステリ小説は、その時代の日本人の深層心理を表しているという。 例えば松本清張の『砂の器』は、ハンセン氏(らい)病患者だった父親とともに差別され、裏日本を放浪した過去をもつ男が、過去をいつわり、名前を変えて音楽家として成功し、代議士の娘と婚約する。そんな時に過去の自分を知る元警察官がヒョッコリ訪ねてくる。音楽家の男は過去を暴かれたくない一心でその元警官を殺してしまう。 殺された元警官という人物は、主人公の過去を知っているのだが、いわば高度成長時代の日本にとっての戦争のようなもの、戦争の死者たちのようなものだと大澤真幸は言う。 日本が経済成長を遂げた60年代、日本人の中には戦争で死んだ人達を裏切って繁栄の道を選んだ、それも敵だったアメリカのおかげで繁栄したという無意識の罪悪感があった。それが自分の過去を知っている男という形で描かれていた、と。 松本清張に
ネタとしてはちょっと古いが先月発表された国連ハビタットの人間居住委員会による”State of the World Cities 2006/7”(参照)関連の話を少し。話を端折るために、ティップス的にまとめたマーキュリーニューズ・コム”Most of the world will live in cities by 2007, U.N. says”(参照)からネタを適当につまみ食い。 現在(〇五年)時点世界の人口は六十四億五千万人。内、ほぼ半数の三十一億七千万人が都市に暮らしている。来年には都市人口がその他の人口を上回るらしい。こうしたことは人類史始まって以来のことなので、現代という時代の本質は、都市化がグローバル化するということなのかもしれない。 一千万人を越える巨大都市は二十を越えるが、都市巨大化の進展の速いセクターは五十万人から五百万人くらいのところ。 こうした都市化の傾向が続けば二
中央銀行の仕事と役割 (知って得する豆知識) 株価の変動の要因 (株式投資の基本のきほん) googleでハーバード大図書館の古い蔵書見れる (おしえて!Google@使用法) [その他]かとうさんを「解剖」する戦い(新春経済系ブログかくし芸大会w) (ラスカルの備忘録) [economy][BOJ]フリードマンによる日銀金融政策の評価 (bewaad institute@kasumigaseki) [経済] 鼻血がでるからな、と銅鑼衣紋はいったw (Economics Lovers Live) [経済・社会]ノーベル経済学賞 (ラスカルの備忘録) [経済] 忘れられたリフレ派、没後20年 (Economics Lovers Live) リスクプレミアムと金利 (簡単!!知識不要の外国為替) [経済]Tyler Cowen関連 (Economics Lovers Live) ●Tyler
ユーザーの好みに合いそうな楽曲を自動で探し出し、ラジオのように次々に流してくれる――そんなサービスがこの夏、日本に上陸する。英国の「Last.fm」で、同名の運営企業がエキサイトと提携し、7月中旬に日本語版を公開する。 Last.fmは、楽曲再生リストを中心にしたSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の老舗で、2003年にスタートした。現在は英語版のみでユーザーは約200万人いるという。 専用アプリケーションをダウンロードすれば、PCやiPodで再生した楽曲リストをネット上に送信・共有できる仕組み。1日あたりの楽曲再生数は約1000万回にのぼる。 友人の音楽の趣味を知ることができるほか、音楽の趣味が似たユーザーを探してコミュニケーションできる。ランキング機能も充実しており、ここ1週間によく聴かれた楽曲や、アーティストごと・アルバムごとに再生回数の多い楽曲をランキング表示したりできる。
本日は、資本主義というシステムに僕が思っていることとかをインサイダー取引と絡めて。 こんな話をしようと思ったのは、今日、磯崎さんのブログで インサイダー取引規制とオフサイド って記事読んだから。 磯崎さんの記事は、インサイダー取引とオフサイドの解説とかなんだけど、その中で、日ごろから思っていることを端的に言い表している部分がったので、引用させていただくけれど 証券取引法の第1条でも「有価証券の流通を円滑ならしめる」と、流動性の確保は、大きな目的の一つになっています。 「情報の非対称性の下でインサイダーが情報独占者として行動すると、それに一般投資家が反応して市場から退出し、取引が破綻する可能性がある。市場が成立しなければ、価格メカニズムを通じた資源配分がおこなわれないという社会損失が発生することになる。」ということで、一般の市場参加者が減るのを避けたいという要因も明らかにあります。 現状のイ
絵の超初心者ド下手くそ人間が、20日間絵を描いて感じたこと わたしは、「文の人」だ。絵を描くのは大の苦手。 そんなわたしが、ひょんなことから絵を描き始めた。 そうしたらおもしろくなって約20日間、なにがしかを描きつづけている。 未知の領域での挑戦は、発見が多い。 また、ここまで絵を描けない人間の挑戦は、あまりネッ…
2006年06月08日 鮫の脳みそはIT革命の夢をみる (6) カテゴリ:お山に雨が降りまして 100の議論よりも、現実を知ればよい。 アマゾンは、誰も知るように売り上げを急伸しながら赤字規模を拡大の一途だ。 アマゾンは、このWEBコンテンツの「勝ち組」急先鋒ではなかったのか。 いかにもインターネットの未来を担う成長企業の筈である。しかし、その雄に してこのありさまなのだ。売り上げもデカイが、欠損は50%近い。これでは 戦艦大和の運命と同じ。鉄くずが連合艦隊の旗艦を務めているようなものではないか。 他ならぬアマゾンがコケては、ネットの世界の主要なビジネスモデルが瓦解しかねない。 あの書店の棚という棚を賑わしたビジネスモデル特許を擁した、「WEBの覇者」が 足萎えであっては困るのである。誰が困るのか。 これは私の邪推に近い推量だが、村上ファンドがあれだけ荒稼ぎした理由の ひとつには、アマゾン
斎藤環さんと私の往復書簡 「和樹と環のひきこもり社会論」、今号は私の番で、「欲望することは義務か?」です。 文中で芥川龍之介の小説「河童 kappa」を取り上げているのですが、問題となる箇所を引用しておきます(以下、「バッグ」というのはある男性河童の名前です)。*1 河童もお産をする時には我々人間と同じことです。やはり医者や産婆などの助けを借りてお産をするのです。 けれどもお産をするとなると、父親は電話でもかけるように母親の生殖器に口をつけ、「お前はこの世界へ生まれてくるかどうか、よく考えた上で返事をしろ。」と大きな声で尋ねるのです。 バッグもやはり膝をつきながら、何度も繰り返してこう言いました。 それからテエブルの上にあった消毒用の水薬でうがいをしました。 すると細君の腹の中の子は多少気兼ねでもしているとみえ、こう小声に返事をしました。 「僕は生まれたくはありません。第一僕のお父さんの遺
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