現在は5月中旬の再開を目指して復旧に当たっているが、これより早期に復旧する可能性も、さらに遅れる可能性もある。基幹システムの障害の原因、データの不整合との関連性など、原因をすべて特定できているわけではない。「復旧に向けて、出荷業務の手順の見直しや、システムのさらなる改修の可能性も含めて検討している」(グリコ広報)。 障害が発生した新基幹システムは総投資額340億円で、グリコにとって巨大プロジェクトだった。グリコは2014年に完全子会社だったグリコ乳業を吸収合併したが、システムはバラバラだった。会計など統合している分野もあったが、生産関係で異なるシステムを利用していたという。 新システムでは、こうした社内のレガシーを統一し、プロセスをシステム上でつなげ、人による調整を減らすこと。顧客から研究開発、調達までデータと業務を紐付けること、全社レベルでデータを可視化し、課題の発見や経営判断のスピード