砂漠に展開された太陽熱発電所=モロッコ北東部エインバニマタル、有田写す 北アフリカを太陽の油田に。伸び盛りの技術、太陽熱発電をひっさげて欧州が動き出している。その中心にいるのはドイツ勢だ。 モロッコ北東部、アルジェリア国境に近い地方都市ウジュダから車を飛ばして1時間あまり。羊飼いが羊を追う姿しか見えない砂漠に、巨大な鏡の海が現れた。 8万枚の鏡で油を400度に熱して蒸気タービンを回し、年間172メガワット時の電力を作り出す。電力会社の現地の担当者は「ここが出発点。これからモロッコの各地に広がっていく」と語る。 日本でおなじみなのはパネルを使う太陽光発電だ。ただ、これは太陽が沈んでしまう夜に弱く、流す電力にムラが出る。電力は、ためておくのが難しいからだ。一方、太陽熱発電は、ボイラーのような原理で熱をためこむことで24時間、ムラのない電力を供給できる。 いまでこそ、世界の発電量で太陽