社会保険庁の後継組織・日本年金機構は来月1日で発足1年を迎えるが、厚生年金のコンピューター記録と原簿の紙台帳記録の不一致が推計100万人に達することが明らかになり、年金記録問題は底なしの様相となってきた。収納対策などの本来業務も難題山積で、年金への信頼回復の道のりは険しい。【野倉恵】 年金機構は今月中旬、厚生年金のオンラインと紙台帳の記録の不一致率が、50歳以上で8.1%、75歳以上で13.7%に上るとするサンプル調査結果を明らかにした。高齢者ほど食い違い、4人に1人は紙台帳の記録がコンピューターに入力されていなかった。 深刻なのは、食い違っていた人の7割が、旧社会保険庁が全加入者・受給者に送った「ねんきん特別便」に誤りはないと回答したことだ。2割は未回答、違うと回答した人は1割に過ぎなかった。不一致は厚生年金のみに加入してきた人の記録だけで、国民年金に加入歴のある人を含めれば、不一致