静岡・駿河湾を震源とする11日早朝の地震。総務省消防庁には、住宅の全壊、半壊の被害は報告されていない。 東海地震への「備え」が功を奏した面はあるのか。震度6弱を記録した静岡県焼津市の街を、応急危険度判定士の資格を持つ市職員とともに歩いた。 11日午後、市中心部に近い住宅街。家族6人で暮らす山本愛子さん(71)宅では、東海地震に備えて10年ほど前から、食器棚と天井との間に棒を渡して固定したり、観音開きの扉の取っ手をベルトで結んだりして、中のものが飛び出さないようにしていた。 山本さんは「家族がだれもけがをせず、備えをしていて良かった」と話した。 危険度判定士の資格を持つ市建築指導課の岡本佳和さん(38)は、午前6時から市内全域の住宅を見て回った。古い家も多いが、瓦が落ちている姿が散見される程度。岡本さんは「家屋の耐震化を進めてきたことで、被害が最小限に食い止められた面もあるのではない