マイナンバー情報総点検本部の会合で発言する岸田文雄首相(右)。右から2人目は河野太郎デジタル相=首相官邸で2023年6月21日午後1時54分、竹内幹撮影 マイナンバーカードを巡るトラブルが止まらない。政府は「デジタル社会のパスポート」を誘い文句に推進の姿勢を崩していないが、本当にこのまま突き進んで大丈夫なのか。かねて懸念を示してきたIT企業サイボウズの青野慶久社長と、国際ジャーナリストの堤未果さんが指摘するマイナカードの「穴」とは――。【金志尚】 <目次> 不明確な目的とずさんな設計 兆単位のコスト、投資に見合わぬ利便性 ひも付く個人情報、一極集中はリスク大 なし崩し的「適用拡大」に危機感 国際的潮流に逆行、サイバー攻撃で流出懸念 国民監視、思想・言論統制つながる恐れ 国、推奨しながら「流出の責任負わぬ」規定 デジタル弱者切り捨て、公共の精神に背く 事業停止し再考を 本来のデジタル化とは