全国約1700の自治体は2025年度末までに主なシステムを標準仕様に準拠させ、その上で政府が運営する「ガバメントクラウド」に原則移行しなければならない。ところが今、この移行作業に暗雲が垂れこめている。標準仕様の改版が続いている上に、岸田文雄政権の経済政策に伴うシステム改修が追い打ちをかけているためだ。 自治体システム標準化・ガバメントクラウドへの移行に関わる自治体職員、ベンダーなどが困惑し続けている中、このまま進めてしまうとシステム障害などを含むトラブルの多発も懸念される。 最前線の現場の声を交えつつ、全国の自治体で今起きている事態やその背景、打開策などを探る。 第4回 「期限ありき」の政治主導はもう限界、岸田政権は行政デジタル化の目的問い直せ 「2030年くらいまで時間をかけないと無理ではないか」。2020年9月に発足した菅義偉政権(当時)が全自治体の情報システムを標準化する法案を検討し