ある大手メーカーのエンジニアが、さまざまな紆余(うよ)曲折を経て、新たなキャリアとして経営コンサルタントになるまでのいきさつを描く本連載。第7回は、1年間のコンサルティング研修で学んだ「エンジニア的発想」と「コンサル的発想」の違いについて紹介する。 1年間のコンサルティング研修の中で、私にとって最も大きかった出来事は、斎藤顕一氏からの「ダメ出し」でした。1つは、バリューチェーン・イノベーター(VI)の提案に対するダメ出し、もう1つは、私自身に対するダメ出しです。 ⇒連載「凡人エンジニアが経営コンサルタントに生まれ変わるまで」のバックナンバー VIへのダメ出しは強烈でした。彼は私たちが作った提案書を見て、「こんなものは本質的問題じゃない。これで何が解決するのか全く分からん」と切り捨てました。なぜ「本質的」ではないのか。クライアントの業績に対するインパクトがないからです。 例えば、私たちはクラ