東京電力福島第一原発事故で被災した福島県内の市町村の将来像を示すため、政府の有識者会議が改定する提言の概要案から、前回(2015年)提言にあった「復興・再生は国の責務」との文言が消えたことが分かった。菅政権は発足時に定めた内閣基本方針に東日本大震災や原発事故の対応を盛り込まず、批判を浴びた。震災から10年の節目が3月に迫る中、政権内で復興の重要性が風化している懸念もあり、福島県側は「国の責務」を今回も明記するよう求めている。 「福島12市町村の将来像に関する有識者検討会」は、日本学術会議元会長の大西隆・東大名誉教授が座長を務め、識者らが原発周辺の田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の計12市町村の30~40年後の姿を話し合う。15年にまとめた最初の提言から5年が過ぎ、20年度中の改定を目指して議論を進めている。 概要案は、福島側の