挨拶にはその地域の社会が反映されている。最近まで、北朝鮮で使われていた挨拶は「めしは食べてきたか」「痛いところはないのか」くらいだった。このような北朝鮮に新たな挨拶が登場した。 昨年まで北朝鮮に住んでいた脱北者チョ・チョルホ(仮名)氏は「北朝鮮で人に会ったらハンコする?」という言葉が今や挨拶として定着しています。韓国の“お茶一杯どう”と同じ意味だが、覚せい剤を吸入するという意味で使われる隠語です」と証言した。 北朝鮮住民の間で「氷」と呼ばれる麻薬が使用されているという事実は昔からしられていたが、麻薬吸入が挨拶語になるほど広い範囲にわたっているのは衝撃的だ。これは北朝鮮における麻薬蔓延の実態の表われだが、生活に疲れた北朝鮮住民にとって唯一頼れるものが麻薬だけだからだ。麻薬は、韓国人には口にするのも怖い言葉だが、北朝鮮住民には一種の食べ物として認識されているという。 脱北者のチョ氏は「人に会っ