米大統領候補による第1回討論会は、民主党のヒラリー・クリントン氏の豊富な「経験」とドナルド・トランプ氏の既成政治家に対する「怒り」がぶつかり合った。米国民はどちらに信頼を寄せるか。全3回の討論会は岐路に立つ米国の針路を決める戦いとなる。 クリントン氏は深紅のパンツスーツ姿で登場すると、トランプ氏と握手を交わし、「お元気? ドナルド」と笑顔を浮かべた。トランプ氏はトレードマークの赤ではなく民主党のイメージカラーである青色のネクタイで見た目は落ち着いた印象を演出した。 しかし、討論が始まると互いにクリントン氏の私用メール問題、トランプ氏が納税証明書を提出していない問題を批判し合うなど、相手の発言を許さない激しい長広舌の応酬となった。 「ドナルドは米軍最高司令官には不適任だ。私たちが直面する脅威を理解している人はそう言っている」 クリントン氏はこう述べ、外交、安全保障に関する知見に欠けるトランプ