レビュー 脱炭素社会の実現に向けて政府、水素戦略改定へ 官民で15兆円投資し年間1200万トン供給 2023.04.20 内城喜貴 / 科学ジャーナリスト、共同通信客員論説委員 政府は脱炭素社会の実現に向け、次世代エネルギーとして注目される水素を普及させるための基本戦略を5月下旬に改定する予定だ。4月4日の再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議で改定案を決めた。官民合わせて15兆円を投資して脱炭素の環境整備を進め、水素供給量を2040年に年間約1200万トンに拡大する数値目標も盛り込んでいる。 再エネ普及と一体での推進が重要 資源の乏しい日本は早くから水素開発に力を入れ、関連技術は世界最高水準とされてきた。政府は17年に世界に先駆けて現行の水素基本戦略を策定したが、その後欧州主要国や米国など各国も水素普及に乗り出し、水素エネルギー分野での国際競争が激化している。基本戦略の改定には経済産業省