本日の毎日新聞に書評掲載です。 今週の本棚:内田麻理香・評 『近代科学のリロケーション −南アジアとヨーロッパにおける知の循環と構築』=カピル・ラジ著 対象本はこちら。 近代科学のリロケーション―南アジアとヨーロッパにおける知の循環と構築― 作者: カピル・ラジ,水谷智,水井万里子,大澤広晃 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会 発売日: 2016/07/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 科学革命以降の近代科学を、西欧中心主義でもなく、地域主義でもなく「帝国主義時代は支配/被支配の関係にある人々が協力し合って新たな知を作り上げ、循環していた」という立場で、多様な実例を交えて書かれた本。著者がインド出身、現在はフランスで教鞭をとっている立場だからこその視点でしょう。まんまSTS(科学技術社会論)、科学コミュニケーションの参考書でございました。 近代科学とはいえ