将棋鑑賞という趣味を同じくする同世代の友人から、 『永世竜王への軌跡』面白かったです。あまり将棋の本は知らないのですが、棋士がこれほど自分の戦いを語った本って、今までにあったのでしょうか? というメールが届いた。将棋世界09年9月号に書評を寄稿した相崎修司氏は、こんなふうに書いている。 ところで、「知のオープン化」という言葉がある。「シリコンバレーから将棋を観る」(中央公論新社)の著者である梅田望夫氏が、その書中にて「羽生の頭脳」全十巻を評した言葉だ。いわく「羽生のその段階で持っている知識は全てオープンにする」というものである。(中略) はたして「羽生の頭脳」が「知のオープン化」を実現したものであるならば、「永世竜王への軌跡」は「心のオープン化」を実現した書籍であると位置づけたい。 「心のオープン化」、これは名言だと思う。 たしかに渡辺は、それが将棋ファンを増やしていくことになると信じて、