英国で不法移民をアフリカのルワンダへ強制移送する法律が4月に成立したことを受け、英国に隣接するアイルランドが警戒を強めている。強制移送を恐れる人々が、英国ではなくアイルランドに流入する可能性があるためだ。アイルランド政府は移民の過度な流入を阻止する法律を整備する方針で、移民の「押し付け合い」の様相を呈している。 「わが国は、他国の移民政策の“抜け道”になることはない」。英BBC放送などによると、アイルランドのハリス首相は4月28日、記者団にこう語った。アイルランドは今後、英国から来た難民申請者を英国に送り返す法律を整備するという。これに対し、スナク英首相の報道官は同30日、「誰を受け入れるか決めるのは英政府だ」と述べ、送り返された移民を受け入れる義務はないと反論した。