株式会社 日経BP 〒105-8308 東京都港区虎ノ門4丁目3番12号 →GoogleMapでみる <最寄り駅> 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」4b出口より徒歩5分 東京メトロ南北線 「六本木一丁目駅」泉ガーデン出口より徒歩7分
「学者は世間知らずだ」という偏見を持つ人に、今でも時折、出会うことがある。世俗から離れて自分の専門の研究をしていればいい人たちという認識なのだろう。 かつては本当にそうだったのかも知れない。明治時代には「研究に熱中していて日露戦争の開戦を知らなかった東大の先生」が世間の話題になったこともあった。 一体その先生は誰か、長岡半太郎(物理学者)、池野成一郎(生物学者)、田中舘愛橘(地球物理学者)、田口和美(医学者)といった当時の東大教授陣が人々の口に上ったという。つまり、「きっとあの人だ」と思わせるような生活態度の学者が多かったのである。 そのようなうわさが流れたということは「国家の一大事にお気楽でいいよな」という、一般からのやっかみがあったと見て間違いないだろう。逆に見れば、大学の研究者はそのような生活が可能なぐらいに保護された、特権的な地位であったのである。 しかし現在の科学者、特に理工系の
「ニッケル・アンド・ダイムド」 バーバラ・エーレンライク著 曽田和子訳 東洋経済新報社 2006年8月発行 1890円(税込み) 現場労働に自尊心や尊敬はあるのか 「職業に貴賤(きせん)なし」とはいうが、実際問題としてこの社会には、「大多数が憧れる職業」と「大多数が、できればやりたくないと考える職業」が存在する。芸能人のことを最近では「セレブ」などと呼ぶが、語源である「celebrity」は名声や名士を意味する。尊敬される人ということだ。一方で、かつての3K(きつい、汚い、危険)労働という言葉で語られたような現場作業の仕事も存在する。 セレブにせよ、3K労働にせよ、わたしはどことなく嫌な語感を感じる。それは「職業に貴賤なし」という建前とは別の「職業に貴賤あり」という現状を示しており、同時にその現状を肯定し「自分はセレブになりたい」「自分は3K労働に従事したくない」
空席が続いていた日銀総裁に白川方明副総裁が昇格した。政府としては、4月11日に開催された先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に総裁という肩書で出席させたいという意向があったのだろう。そのために、民主党の案を飲んで、財務省出身者の総裁就任をあきらめた。民主党にとっては思惑通りの総裁選びが実現したわけだ。 たしかに、福田政権が財務省出身者を総裁候補に推していた点については、いろいろな問題はあるだろう。一部のメディアが指摘しているように、「自民党が財務官僚の天下り先確保に手を貸している」という面がないわけではない。日銀総裁という絶好の天下り先をキープしたいという思惑が財務省にあることは事実だし、福田内閣の財政再建路線をみれば、財務省に配慮していることは明らかである。 だが、そうした点を考慮に入れても、財務省出身者を排除して白川総裁が誕生したことにわたしは失望している。バリバリの日銀出身
社会起業は希望の種をまく最先端のビジネスだ! 2005年に発売以来、ロングセラーを続けている『チェンジメーカー 社会起業家が世の中を変える』(日経BP社)の著者・渡邊奈々氏が、このたび続編『社会起業家という仕事 チェンジメーカーⅡ』(同)を発表した。 同じく「社会起業」の重要性を強く訴える人に今一生氏がいる。日本の若手社会起業家を取材してまとめた『プライドワーク 自分をつくる働き方』(春秋社)の著書で知られる今氏と、この2年間における社会起業家のあり方と今後の動向について対談してもらった。 寄付や助成金に頼らず、ビジネスで社会問題を解決する。 渡邊 奈々氏 東京生まれ。慶應義塾大学文学部英文科卒業。 1976年に渡米し、ニュージャージー州シートンホール大学バイリンガル教育修士課程修了。1977年〜78年に女性写真家の草分け的存在であったリゼット・モデル氏より写真を学び、ニュ
ケータイ小説をなめてはいけない──日本近代文学と「女学生」 トーハンが、書籍の「2007年 年間ベストセラー」を発表した。文芸部門では、女子中高生が愛読するケータイ小説がベスト3を独占。ベスト10のなかに5作がランクインした。 この現象について、英国紙タイムズから取材を受けた。海外のメディアも注目する現象なのだ。日本の純文学の関係者は、「素人が書いており文章がつたない」「ストーリーが型にはまりすぎ」などとケータイ小説を酷評している。だが、「くだらない」の一言で切り捨てることはできない。 このブームの根底にあるものを読み解くには、日本の近代文学史、それも教科書では教わらない、近代文学のほんとうの誕生について知る必要がある。意外かもしれないが、ケータイ小説は、近代日本文学の伝統の流れの延長に位置するものなのだ。 「女学生」の投稿雑誌、オフ会は明治時代から存在していた 文芸部門のランキ
第4回 「プレゼンテーションをデザインする」 (取材・文=戸田 覚 写真=宮田 昌彦) 世界的に有名なインダストリアルデザイナーの川崎和男氏は、斬新な手法でプレゼンテーションに取り組んできた先駆け的な存在だ。その経歴をすべて書いていくと、それだけでページが埋まってしまうので、興味をお持ちの方はWebで検索していただきたい。お会いするのは初めてだが、その生き方を含め、筆者は、ずいぶん前から尊敬していた方である。そんな川崎氏に“華麗なるプレゼン”の極意を聞いた。 コンピュータを使ったプレゼンを日本で最も早くから手がけていたのが川崎氏だ。 「プレゼンでコンピュータに一番最初に飛びついたのが僕だと思います。マッキントッシュを最初に認めたのも僕だと思うし。その後、プレゼンに使えるアプリケーションとしては、アイディアプロセッサーを経て白黒のパワーポイントが登場して来ます。もちろん、主なプレゼン
6月19日に渋谷で温泉施設が爆発して3人の死者を出した。このニュースを聞いて、わたしはなぜか「ロボットの反乱」を連想した。 米国のSF作家、アイザック・アシモフ(1920~1992年)は「ロボットの三原則」を提唱したことで知られる。 第一条。「ロボットは人間に危害を加えてはならない」。 第二条。「ロボットは人間の命令に服従しなければならない」。 第三条。「ロボットは自己を守らなければならない」。 この三原則に違反すると反乱と見なされるのだが、温泉と一緒に出てきた天然ガスの爆発を、なぜ反乱と連想したのか。話は少し遠回りになる。 狭義のロボットとは、「鉄腕アトム」のように人間の形をした自動機械をいう。しかし、範囲を広げて、コンピュータで制御された自動機械そのものをロボットとする考え方もある。 最近、その自動機械型のロボットが人間を死傷させる事故が相次いでいる。 【2004年3月】 六本木
緒方元長官の奇怪な行動、原因は志と誇りの喪失か (田中 秀征=福山大学教授) 明治維新の志士・高杉晋作は、徳川幕府の役人と上海に行き、一緒に寝泊りして初めて彼らの実態を知った。本務である外国事情の視察には不熱心なのに、部屋割りや日当の額となると目の色を変えて関心を示す。晋作はこれを見て、幕府にはこの時代を乗り切る意志も力もないことを知る。それから晋作は急速に倒幕に傾いて行った。 彼は、末端の幕吏がこのような有様なら、指導者も似たり寄ったりだろうと考えたのだ。 今回の朝鮮総連本部売却案件は、官僚のみならず、日本の組織や団体の指導層のていたらくを示しているように私は感じた。日本の指導者の象徴的な姿を垣間見たような思いであった。 邪悪な官僚ほど、不思議に“国益”を掲げる それにしても、この事件から、底知れない不気味さ、奇怪さを感じたのは私だけであろうか。説明を聞けば聞くほどいかがわし
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