米国の10年実質金利(青)が2012年以来の深いマイナス幅になっている。これは10年ものの物価連動国債(TIPS, Treasury Inflation-Protected Security)が取引されている利回りであり、10年名目金利(普通の10年国債利回り)との差が大雑把に10年期待インフレ率(BEI, Break Even Inflation rate)と言われる。TIPSはインフレ率(CPI-U :Consumer Price Index for All Urban Consumers)を見て元本が調整されるため、将来実現されたインフレ率がBEI通りであったなら名目債で運用しても物価連動債で運用してもリターンは変わらない(ブレークイーブン)。 インフレ期待の推移は国債とTIPSの参加者が決定する形となる。TIPSは相場が荒れるほど流動性が低下するし、挙げ句の果てにFedも買っていた