新人記者として過ごした1年間で、印象に残り、戒めとしている言葉があります。 トラブルを起こした某アーティストのライブ終演後、本人を直撃するため、出待ちした時のことです。 会場に到着すると、楽屋通用口前の歩道に、既に30人ほどの取材陣が集まっていました。 ロープで仕切られた車道寄りの歩道には、メンバーの出待ちをするファンが集まり、歩道に陣取る取材陣の肩越しに、通用口を見つめていました。 何の疑問も抱かず、取材陣の列に入った時、ファンの列からこんな言葉が聞こえてきました。 「マスコミ、死ねよ!」 胸にグサッと刺さる言葉でした。 好きなアーティストを一目見ようと出待ちをしているのに、大きな機材を持った取材陣の後ろで見るよう言われたら、嫌な気持ちになることくらい、よく分かります。少々言葉がきついですが、「死ねよ」と言いたくもなるでしょう。 なぜファンより取材陣が優先されるのか。その場で聞かれていた