リハビリテーション医として半世紀近く高齢者医療に携わってきた日本慢性期医療協会の武久洋三前会長(80)。長年医療界に身を置きつつ、「長期入院が寝たきり高齢者を生む要因になっている」と訴え続けてきた。背景には、世界でも入院日数が突出して長いという日本医療の構造的問題がある。病院の実情と解決策を聞いた。(杉谷剛)
新型コロナウイルス「第7波」に備えて東京都は高齢者施設の対策に力を入れる。第6波では高齢者施設内で感染して死亡する人が300人を超えた。都はウイルスが持ち込まれる前提でいかに感染を広げないかに重点を置くが、敷地が狭い都市部ならではの事情も対策を難しくしており、現場からは「広げないのは限界」と苦悩の声が漏れる。(加藤健太) 「隔離がうまくできていれば…」。都内の養護老人ホームで副施設長を務める男性は後悔をにじませた。2月初旬に1人目の感染が判明後、感染力の強いオミクロン株は施設内で急速に広がり、2週間で39人のクラスター(感染者集団)となった。80代後半の利用者の男性は感染後に大腸の持病が悪化。救急搬送時に「コロナ患者は受け入れられない」と近隣で断られ、30キロ以上離れた病院に運ばれた後に死亡した。
新型コロナウイルスの感染から回復するも、身体機能が落ちリハビリを受ける患者=12日、名古屋市千種区の東部医療センターで(川柳晶寛撮影) 新型コロナウイルスで入院した高齢者が、感染症は治っても体力低下などによりフレイル(要介護の一歩手前の健康状態)に陥る問題が指摘されている。入院の長期化によって健康状態の悪化が懸念され、厚生労働省も退院後にリハビリを受け入れる施設の確保など支援態勢の整備が必要とみている。 (福本英司、出口有紀) 「手足の運動しましょうね」。十二日、救急医療を担う名古屋市立大付属東部医療センターの病室。ベッドに横たわる八十代の男性患者が、作業療法士の尾藤和正さん(33)から、膝を曲げ伸ばしするリハビリを受けていた。
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