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ブックマーク / honz.jp (9)

  • 『「自然」という幻想 多自然ガーデニングによる新しい自然保護』 - HONZ

    世界の自然保護は、大論争と新しい希望の時代に入った感がある。人の暮らしから隔絶された 「手つかず」の自然、人の撹乱を受けなかったはずの過去の自然、「外来種」を徹底的に排除した自然生態系、そんな自然にこそ価値ありとし、その回復を自明の指針としてきた伝統的な理解に、改定をせまる多様な論議・実践が登場している。 ここ10年ほど、その新時代を展望する出版が英語圏で目立っている。一端は関連の翻訳書(ピア ス『外来種は当に悪者か』〔草思社〕など)を通して我が国にも波及しているが、実は2011年に出版された書の原書Rambunctious Garden: Saving Nature in a Post-Wild World (Bloomsbury)こそ、 新時代到来を告げただった。著者エマ・マリスは、ネイチャー誌をはじめとする専門誌を舞台に、崩壊する古い論議、新しい実践、そして新しい自然のヴィジョ

    『「自然」という幻想 多自然ガーデニングによる新しい自然保護』 - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2018/07/21
    “そして今や、先史時代からの人類による自然攪乱の歴史が常識となり、また温暖化でもはや生態 系は不可逆的変化を続けるほかないと明らかになってきた。”
  • 『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん』 - HONZ

    修復家という職業がある。58億円で落札されたゴッホの「ひまわり」は、今も鮮明な色彩を放っており、モネの「睡蓮の池」も、完成当時の風合いを留めている。それは全て修復家のおかげなのだ。 これらゴッホやモネの絵は、著者の修復家である岩井希久子さんの仕事によるものだ。書では世界でも有数の腕を持つ岩井さんが、見事な医術により名画を再生し、真摯に仕事に向き合う姿を開示している。一方、ワーキングマザーとして働く彼女が、家族と仕事の間で揺れ動きながらも、常に前に進む姿に胸をうたれる。 岩井さんには娘が二人いる。「子供が産めるのは女性だけ」という思いと同時に、「絶対に仕事に穴をあけない」という信念から、人は妊娠中でも仕事を中断しようとしない。絵画は修復の方法を誤ると来の美しさを損ない、寿命を早めてしまうことになる。酷ければ名画を破いてしまう場合もある緊張感ある仕事だ。岩井さんは、過去に間違えて修復され

    『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん』 - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2018/02/19
    “一番効果的なのは、意外かもしれないが唾液を使って汚れを取り去る方法だそうだ。もちろんその他薬品も用途別に使用するが、唾液に含まれる酵素と粘り気は、絵画の汚れを取るのに最適らしい。”
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第6回:今生きている社会がすべてではない - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。連載の最終回は「今生きている社会がすべてではない」ことについて。様々な国を知ることや歴史を学ぶことには、どのような意味があるのか?(HONZ編集部) ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回、第4回、第5回 清水 『謎の独立国家ソマリランド』の冒頭、エピグラフに「今まで見てきたことや聞いてきたことが、全部でたらめだったとしたら面白い」というような言葉が書かれているじゃないですか。 高野 ブルーハーツですね。「情熱の薔薇」の歌詞を引用したんです。 清水 あれはまさしくその通りだなと思って。僕は学生に対していつも言っているんですよ。今生きている社会がすべてだとは思わないでほしいって。それとはぜんぜん違う論理で動いている社会があるんだし、我々の先祖の社会にも今とはぜんぜん違う

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第6回:今生きている社会がすべてではない - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2015/09/05
    “中世史を学んで、「あんな社会に生まれなくてよかった」と思ってしまうのは、思考が停止しているということですよね。過去への共感もないですし、自分が今いる場所から出ようともしていない。”
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第5回:カオスでぐずぐずが室町時代の真実 - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第5回は「カオスでグズグズが室町時代の真実」について。室町時代を捉えるにはどのようなスタンスが求められるのか?(HONZ編集部)。 ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回、第4回 カオスでぐずぐずが室町時代の真実 高野 網野善彦さんという研究者はどんな方だったんですか。僕も学生時代に網野さんのを読んで、面白いなあと思った口なんですけど。 清水 中世のイメージを革命的に変えた人だと思いますね。それ以前は、日の中世は武士と農民の時代で、荘園は閉鎖的な村落で、人々はみんな自給的な暮らしをしていたというイメージでとらえられていたんですが、そうじゃなくて、非農業民を含むさまざまな人たちがうごめいていた社会だったんだというオリジナルな着想をもち込んで、注目されたんですよ。映画

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第5回:カオスでぐずぐずが室町時代の真実 - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2015/09/05
    研究者によって中世日本を秩序立った社会と見なすかカオスと見なすかの違いがあるものの、論文の結論としてはシステムが機能していたとするほうが都合がいい(いいのか)
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第4回:伊達政宗のイタい恋 - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第4回は伊達政宗のイタい恋について。BLのルーツは戦国武将にあり!?(HONZ編集部) ※過去の記事はこちら→第1回、第2回、第3回 伊達政宗のイタい恋 清水 江戸時代の元禄年間が日歴史のターニングポイントだったという話をしましたよね。ひげがなくなるのはまさにその頃で、もう一つの傾向としては、同性愛文化がすたれていくんですよ。もちろん、アンダーグラウンドな世界では残るんですが、趣味としておおっぴらに同性愛を楽しむ風潮がなくなってきますよね。なぜかというと、もともとは同性愛もひげと同じで、男らしさの表れだったんですね。 高野 そうだったんですか。 清水 なよっとした感じのものではなくて、「女なんかとつるんでいられるか」というような感じの。 高野 むしろ男子校的な。 清水 

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第4回:伊達政宗のイタい恋 - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2015/08/24
    レズは稀少 “まず女性のことは史料に表れにくいという前提があるんですけど、レズビアンの記録はほとんど見えません。”
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第3回:信長とイスラム主義 - HONZ

    信長とイスラム主義 高野 僕は、清水さんが書かれているような歴史を読んでヒントを得て、現代のアジア・アフリカの辺境のことを想像することが多いんです。やっぱり現地の人の気持ちを理解するのはとても難しいし、特に紛争地となると、外国人である僕が何度通って話を聞いても、真相はなかなかわかるものじゃない。確信めいたものをつかむのはすごく大変で、そこに至るヒントとしては日史の知識がすごく役に立つと思っているんです。 清水 それは責任重大だ(笑)。 高野 たとえばアフガニスタンでもソマリアでも、内戦のさなかに「イスラム主義」の過激派がどーっと出てきますよね。そのときの感じは、織田信長が出てきたときの感じに近いんじゃないかなって、ちょっと思っているんですね。 というのは、人々は初めからイスラム主義を支持していたわけじゃないんだけども、国内に戦国武将みたいな連中がたくさんいて、それぞれ争っていると、暮

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第3回:信長とイスラム主義 - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2015/08/19
    “頼朝の時代なら暴力による支配が通用したかもしれないけど、そのやり方では幕府は続いていかないから、法治主義をもち出したんだと思います。室町幕府の四代将軍、足利義持も同じことを”
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第2回:「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 未来が後ろにあった頃 - HONZ

    人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第2回は「「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ーー 未来が後ろにあった頃」について。未来の指す方向から読み解く、時間と空間の転換点とは?(HONZ編集部) ※第1回はこちら 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ーー 未来が後ろにあった頃 清水 日語に「サキ」と「アト」という言葉があるでしょう。これらはもともと空間概念を説明する言葉で、「前」のことを「サキ」、「後ろ」のことを「アト」と言ったんですが、時間概念を説明する言葉として使う場合、「過去」のことを「サキ」、「未来」のことを「アト」と言ったりしますよね。「先日」とか「後回し」という言葉がそうです。 でも、その逆に「未来」のことを「サキ」、「過去」のことを「アト」という場合もありますよね。「先々のことを考えて……」とか、「後

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第2回:「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 未来が後ろにあった頃 - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2015/08/15
    “現代人に「未来の方向を指してみてください」と言うと、たいていは「前」を指さしますよね。でも、そもそも古代や中世の人たちは違ったんです。未来は「アト」であり「後ろ」、背中側だったんです。”
  • 【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第1回:かぶりすぎている室町社会とソマリ社会 - HONZ

    8月26日発売の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』は、人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集である。「世界の辺境」と「昔の日」は、こんなにも似ていた! まさに時空を超えた異種格闘技の様相を呈す内容の一部を、HONZにて特別先行公開いたします。第1回は「高野秀行氏による前書き」と「かぶりすぎている室町社会とソマリ社会」について。(HONZ編集部) はじめに by 高野 秀行 私はふつうの人が行かないアジアやアフリカなどの辺境地帯を好んで訪れ、その体験をに書くという仕事をしている。こんなことで生活できるのはありがたいと思うが、一つ困るのは話し相手がいないことだ。 たとえば、ここ5年ほど通って取材を行っているアフリカのソマリ人。彼らは数百年前から続く伝統的な社会システムを現在でも維持しており、それに従って内戦も和平も恋愛 も海賊行為も行われている。

    【連載】『世界の辺境とハードボイルド室町時代』第1回:かぶりすぎている室町社会とソマリ社会 - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2015/08/14
    “辺境って危なくないんですよね、意外に。どこでも一番危ないのは都市なんですよ。そこから離れて、辺境に行けば行くほど安全になっていく。 というのは、顔が見える社会になって、お互いに監視が利いて”
  • 『脳のワーキングメモリを鍛える! 』 前頭葉のフィットネス - HONZ

    物覚えが悪くなったのはいつ頃からだっただろうか、今となっては思い出せない。小学校の時から忘れ物は多かった人間だが、明らかに、最近、一皮むけたのだ。特に固有名詞だ。正解の直前までわかるのに「あれ」としか言えないもどかしさ。最近、物忘れがひどいんだよ…と友人に言ったら、「俺、今日、カタカナの“メ”が思い出せなかった。」と言われた。お互い、年である。“メ”がだめだったら、もうあとは“ノ”しかない。土俵際である。 書には、脳の「ワーキングメモリ」がいかに重要な機能か、さらに、どうすればそのワーキングメモリを強化するできるかが記されている。著者はノースフロリダ大学の心理学教授で、以前はスターリング大学生涯記憶・学習センターの所長だった人である。表示に書かれた副題は、「Train Your Brain to Function Stronger,Smarter, Faster」。私は迷わず手に取り、レ

    『脳のワーキングメモリを鍛える! 』 前頭葉のフィットネス - HONZ
    Humisawa
    Humisawa 2014/01/30
    "知識の量ではなく、知識を使って何が出来るかを司るのがワーキングメモリである"
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