四方を海に囲まれた日本列島では、いにしえより津波や台風といった自然災害はもちろん、倭寇や黒船のような異国の脅威がしばしば訪れては私たちの先祖を悩ませてきた。 そんな海の向こうから不意にやってくる災害や脅威、渡来人たちがもたらす新たな技術や叡智に対する畏怖の念はいつしか「来訪神」という姿になり、その土地の暮らしに深く根づいていった。北は男鹿半島の「なまはげ」から、南は悪石島の「ボゼ」や石垣島の「ミルク」まで、日本各地に存在する多種多様な来訪神に魅せられ、何年にもわたって撮影し続けてきたのが写真家・石川直樹。 コロナ禍で打撃を受けた全国各地の伝統行事や民俗芸能をサポートするキヤノンマーケティングジャパンのプロジェクト「まつりと」とコラボレーションした連載「日本のまつりと出会いなおす」では、アーティストやクリエイター、文化人などへのインタビューを通じて、日本のまつりの魅力をさまざまな角度から解き