学校の保健室を訪れることなく大人になった人はまずいないだろう。「保健室の先生」と呼ばれる養護教諭が「どうしたの?」と出迎え、心身両面の不調を受け止めてくれる。子どもたちの「駆け込み寺」となる保健室の設置は、一般的には高校までだ。しかし、「大学の保健室」を開設して10年になる短大がある。見えてくるのは、苦しさを抱えて孤立し、力尽きかねない若者たちの姿だった。(ノンフィクションライター・秋山千佳/Yahoo!ニュース編集部)
学校の保健室を訪れることなく大人になった人はまずいないだろう。「保健室の先生」と呼ばれる養護教諭が「どうしたの?」と出迎え、心身両面の不調を受け止めてくれる。子どもたちの「駆け込み寺」となる保健室の設置は、一般的には高校までだ。しかし、「大学の保健室」を開設して10年になる短大がある。見えてくるのは、苦しさを抱えて孤立し、力尽きかねない若者たちの姿だった。(ノンフィクションライター・秋山千佳/Yahoo!ニュース編集部)
Facebookを開けば、子どものお弁当からお気に入りの酒の肴まで、料理の写真がずらりと並ぶ。全国各地では、ご当地食材の食フェスやB級グルメフェアが連日のように組まれている。この空前の「グルメ時代」に、「食べない」生活を選ぶ人たちがいる。なぜ、そんな価値観を選ぶのか。医師や栄養学の専門家はどう見ているのか。「食べない」人々を追った。(ライター・神田桂一/Yahoo!ニュース編集部) 俳優の榎木孝明氏は、地下にある控え室から階段を軽やかな身のこなしで上がってくると、「ようこそいらっしゃいました」と言って、にっこりと微笑んだ。榎木氏は、都内の医療機関で指導を受け、30日間の「不食」を実践しながら、現在出演中の『相棒season15』の撮影所に通っていたことがあるという。不食とは、文字通り、何も食べないこと(毎日の水分補給と場合によっては塩分・糖分をとることもある)。人間はそれほど食べずに活動で
風俗街で出会うマキ(34歳)がユウジ(45歳)に出会ったのは21歳。2人が生まれ育った宮崎市内の風俗街でだった。 マキは働いていた飲み屋で知り合ったパチンコ依存症の夫と別れたところ。ユウジは日中ビルメンテナンスの会社を経営しながら、夜はデリヘル業(デリバリーヘルスという業種の風俗店)に携わっていた。ユウジもこの時点でバツ2だった。 2人は結婚。デリヘルやSM店経営の後、本業のビルメン経営の傍らで、一般社団法人「日本プレミアム能力開発協会」という団体を立ち上げ、その事業の一環で、2015年1月に「プレミアム親子食堂」を立ち上げる。これが、宮崎県内のこども食堂の先駆けとなった。 風俗業の経営から、法人立ち上げを経て、こども食堂へ。2人の軌跡はいかにもアヤシゲで、眉をひそめる人もいるかもしれない。 しかし、この2人のストーリーを、貧困の中で育った者たちが貧困の連鎖を断ち切ろうとしてきた苦闘のスト
2016年、大ブレイクした芸人の筆頭といえばメイプル超合金のカズレーザーだろう。 金髪に全身赤い服というひと目見ただけで覚えてしまう風貌だったり、バイセクシャルを公言していたりと、強烈なキャラが渋滞しているだけに、いわゆる“一発屋”枠のキャラ芸人だと思われがちだった。だが、『Qさま』などのクイズ番組で好成績を繰り返したり、共演者に「その落ち着きは何なの、2世タレント?」と驚かれるほどの物怖じのなさで様々なバラエティ番組で活躍、『お願いランキング』内の人気コーナー「カズレーザークリニック」でも“名言”を連発。溢れ出る知性で、一発屋的キャラのイメージを完全に払拭した。 カズレーザーの肯定感に満ちた言葉がいま注目を浴びている。そんな彼の発言を振り返ってみたい。 ▼生き方15歳の頃から赤い服ばかり着る(喪中や妹と会うとき以外)ようになり、モンティ・パイソンに強く影響を受けたカズレーザーは、「とにか
50話より 大坂夏の陣ついに家康と対峙する幸村 写真提供NHK 全50話に及ぶ物語が完結した『真田丸』。 堅牢で太い幹に様々な枝葉をつけてどこから見ても面白いドラマに仕上げたばかりのプロデューサー吉川邦夫インタビューの最終回。ドラマで伝えたかったことと今後の大河ドラマの可能性を聞いた。 人生、どう転がるかわからないからー前回のインタビューできりの話を伺いましたが、彼女だけでなく、女性の存在が『真田丸』ではとても面白かったです。 吉川「正室と側室を描くのは歴史ドラマの宿命ですが、現代感覚と照らし合わせると、両方ともいい人に描くのはなかなか難しいものです。現代の妻と愛人の関係にどうしても置き換えてしまいますから、どちらかにネガティブな面を背負わせがちになるのですが、『真田丸』ではみんながうまくいっている感じに描けました。梅ときりからはじまって、春ときり、稲とおこうも、一人の男性をめぐって互いに
こんにちは。ヨッピーです。普段は「銭湯の神」として主にインターネットでは銭湯の普及活動にいそしんでおります。銭湯は、いいぞ。 DeNAパレット構想さて、ご存知の方も多いかもしれませんが、横浜DeNAベイスターズのオーナー企業であり一部上場企業であるところのDeNAが運営する「DeNAパレット構想」傘下のキュレーションメディア群が盛大に炎上、稼ぎ頭のMERY、炎上の発端となったWELQを含む10媒体全てが運営を停止、記事が非公開になるという局面を迎えており、DeNAの株価にも影響を与えている模様です。 DeNAが「MERY」全記事の非公開化を発表「厳正かつ公正な調査」のため https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/dena-mery 更に本件がリクルートやYahoo!、サイバーエージェントなど大手各社に飛び火したことで新聞雑誌地上波問わず各所の注目を集めてお
「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトでぶつかった「ある疑問」国立情報学研究所(NII)の社会共有知研究センター。 「ロボットは東大に入れるか(東ロボ)」プロジェクトで知られる人工知能(AI)の研究チームが、子どもたちの読解力テストに着手した。 なぜ、AI研究者が「読解力」に関心をもつのか。 そこには、AIの限界を探る研究の過程でぶつかった、ある疑問が関係している。 センター長の数学者・新井紀子さんに話を聞いた。 今日(11月14日)の「東ロボ 2016成果報告会」で冒頭あいさつする新井紀子教授。東ロボプロジェクトは2011年にスタートしたAIは国語が苦手――なぜ、AI研究者が「読解力」に関心を? 東ロボは、問題を解き、正解も出すが、読んで理解しているわけではない。 現段階のAIにとって、文章の意味を理解することは、不可能に近い。 そうすると、特に難しいのが国語と英語だ。 国語では、20
※この記事は映画の重要な部分についてネタバレがある。映画をまっさらな気持ちで見たい方は、ぜひ観賞後に読んでください。私は7月30日、公開2日目に『シン・ゴジラ』を見に行って衝撃を受け、その日のうちにこんな記事を書いた。 →日本のスクラップ&ビルド、東宝映画のスクラップ&ビルド 『シン・ゴジラ』(Yahoo!個人/7月30日) この記事では触れなかったが、エンドロールに出てきた「製作 市川南」のクレジットを見て秘かに歓喜した。市川氏は以前宣伝部にいて、コピーライターとして私は仕事をご一緒したことがある。その後、映画調整部に移ってヒット作をプロデュースしていたことは知っていたが、このゴジラのリニューアルというヘビーな作業も市川氏が指揮していたのは感激だ。そこで、十数年ぶりに市川氏にお会いし、『シン・ゴジラ』誕生についてお話をうかがった。そのインタビューのエッセンスをここでみなさんに読んでいただ
「裏切られたと感じている労働者階級の人々を政界のエリートたちが説得できない限り、英国はEUから離脱するだろう」 2週間前にそう言ったのはオーウェン・ジョーンズだった。 二つに分断された国「おーーーー、マジか!」 という配偶者の声で目が覚めた。離脱だという。 子供を学校に送って行くと、郵便配達の仕事をしているお父さんがロイヤルメールの半ズボンの制服を着たまま娘を学校に連れてきていた。 「まさかの離脱だったね」と言うと、彼も「おお」と笑った。 彼とは昨日も学校で会い、EU離脱投票の話をしていたのだった。昨日の朝は 「残留みたいだね、どう考えても」「ああ、もうそんなムード一色だな」みたいな話を2人でしていたのだった。昨日、彼はこう言っていたのだった。 「俺はそれでも離脱に入れる。どうせ残留になるとはわかっているが、せめて数で追い上げて、俺らワーキングクラスは怒っているんだという意思表示はしておか
つい先日ですが、「発達障害者支援法」が10年ぶりに改正され、発達障害がある人への教育・就労の支援の充実、社会的障壁を取り除くことが法律でも強調されました。しかし、理解や支援といっても、実際のところ、発達障害ってどんな人たちなの?という方が多いのではないでしょうか。 「大人の発達障害」という言葉は、みなさんも一度は見聞きしたことがありませんか?Amazonで「大人の発達障害」と検索すれば、実に200冊の書籍がヒットし、クローズアップ現代やNHKスペシャルなどでも取り上げられたテーマです。複雑なコミュニケーションが求められる社会になるなか、困り感を抱える当事者へのサポートや強みを生かす支援、職場など周囲の理解の重要性が指摘されています。 大人の発達障害は生まれつき生きづらさを抱えながらも診断されないまま大人になり、社会に出てから「発達障害」という診断に至るケースが増えているようです。これが「大
6月11日に放送された『NHKスペシャル』では「#不寛容社会」と題された特集が組まれていた。 昨今顕著になったいわゆる「不謹慎狩り」やスキャンダルを起こしたタレントや政治家に対する執拗なバッシング、理不尽ともいえるようなクレームから表現が自粛されてしまうことなどを取り上げ、それを「不寛容社会」と形容し、なぜそうなったのか、これからどうすべきなのかを討論するという趣旨だった。 討論には一般視聴者の他、宇野常寛、榎本博明、鴻上尚史、壇蜜、津田大介、デーブ・スペクター、中野信子、森達也らが参加していた。 自分の良心を汚したくないまさに苛烈なバッシングを浴びた佐村河内守をテーマにした映画『FAKE』が公開になった映画監督・森達也は現在の日本の社会をこのように分析している。 森:萎縮するから同調圧力がどんどん強くなる。みんなが右に行く、みんなが左に行く。そもそも均質な社会なんだけど、それがさらに加速
■巨大化と低年齢化先月27日に起きた大阪府八尾市立の中学校における10段の立体ピラミッド崩壊事故(重軽傷6名)が、世間の大きな関心を集めている(第一報は、ヤフーニュース個人「10段の組体操 崩壊の瞬間と衝撃」(内田良))。 昨年を含め過去にも複数の骨折事例があり、かつ巨大組体操に対する批判が強くなってきているなかでの、10段へのチャレンジであった。その点で、学校側の重大な責任が問われるべき事案である。 2000年代後半から、全国各地の学校で、組体操の「巨大化」が進められてきた。10段ピラミッドは、その代表例である。だがここで、もう一つ留意しなければならないことがある。それは、組み手の「低年齢化」である。 ■ついに幼稚園で「6段」のピラミッド9月下旬に、ある幼稚園で披露された「6段」の立体ピラミッドじつは小学校ではすでに、複数の学校で9段のピラミッドが成功している。小学6年生の場合、土台の最
■10段ピラミッド、崩壊の様子この秋も、全国の学校で巨大組体操が繰り広げられている。 ヤフーニュースをはじめ多くのメディアで、巨大組体操の危険性に関する情報が発信されているなか、この秋の体育祭で人間ピラミッドの中学校最高タイ記録「10段」にチャレンジした公立中学校(関西地域※)がある。 そのチャレンジの様子(崩壊の瞬間を含む)が、YouTube上に動画で公開されている。 ★★10/1現在、YouTubeの元動画は削除されているため、こちらのサイトを参照されたい。 1) YouTube(新たな投稿、ただし元の動画と同じもの):大中ピラミッド(大阪府八尾市立の中学校における組体操事故) 2) Yahoo!ニュース(日テレNEWS24):体育祭“10段ピラミッド”崩れ6人重軽傷 3) NHK NEWSWEB:組み体操で骨折 注意喚起 4) Spotlight:10段の人間ピラミッドに挑戦!衝撃的
大きなトラブルとなった五輪のロゴ類似問題。素人目にはそっくりになロゴに対し、審査員をはじめ多くのデザイナー達が「まったく違う」と反論していたのが印象的でした。しかし、不透明かつ説明不足の審査委員会もあいまって、残念ながらこれらの発言は身内を守るものと解釈されてしまいました。また画像の盗用問題により、本来なら行われるべきだった、冷静な議論などは完全に失われてしまいました。 なぜデザイナーと世間において、これほど大きな認識の違いが生まれたのでしょうか?本稿では、デザイナーと世間の間にある「類似性のギャップ」に関しできる限りわかりやすく説明します。最大公約数的な意見としては、このような感じではないかと思います。 全体の構成としては、まず類似性は鑑賞者の文化背景に依存することを説明します。その上で、前提知識として、デザインの本質や、文字を用いたデザインの類似性についての基礎知識を解説します。その後
4月と言えば、入園式・入学式。子どもたちはもちろん、ママたちにとっても新しい出会いの季節です。そんな初めて会うママ同士のコミュニケーションに新しい形が登場してきていると言います。それは「ママ名刺」の交換です。 「ママ名刺」とは、子どもと自分の氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどが記載された名刺のこと。中には子どもの写真やパパの職業といった個人情報を書き入れることもあるそうです。その起源は女性誌「VERY」とされています。 フォトエースサンプルより www.prophoto-ace.com本記事では、「ママ名刺」が普及した理由、つくり方、ママ名刺が浮き彫りにする「ママのマウンティング」について、調べました。 連絡先交換の時短化に一役子どもを送迎する時のママたちは、バタバタです。立ち話もほどほどに、出勤したり、家に戻って家事をしなくてはいけません。そんな時に「ママ名刺」は短時間で連絡先を交
炎上したルミネムービールミネがYouTubeで公開したプロモーションムービーが、世の中をザワザワさせています。「働く女性たちを応援するスペシャルムービー」と題されたこの動画が、女性を中心に大きな反感を買ったのです。結果、公開されていたふたつの動画は即座に非公開となり、ルミネも正式に謝罪しました。 スポニチアネックス「CM炎上のルミネ 企画意図明かさず『反省』第3話以降は未制作」(2015年3月20日) ・LUMINE「お詫び」(2015年3月20日) ・『ウートピ』「【ルミネ炎上CM】広報へ制作意図を直撃 「女性の変わりたい気持ちを応援したかった」」(2015年3月20日) まず、このムービーの内容を簡単に説明しましょう。 第1話では、出勤時にひっつめ黒髪にボーダーシャツの女性・ヨシノさんが、上司と思しき男性に派手な格好の同僚女性と比べられて「大丈夫だよ、需要が違うんだから」と言われます。
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