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ブックマーク / www.msz.co.jp (10)

  • 進化の技法 | 転用と盗用と争いの40億年 | みすず書房

    生物は進化しうる。ではその過程で、生物の体内で何が起きているのだろうか。この問いの答えは、ダーウィンの『種の起源』の刊行後、現在まで増え続けている。生物は実にさまざまな「進化の技法」を備えているのだ。 『種の起源』が発表されると、人々は世界中の現生の生物や化石に進化の実例を求め、観察し始めた。そしてさまざまな生物の胚、変態、奇形の個体、染色体を見つめるうちに、飛躍的な進化を起こすからくりを少しずつ見出していく。たとえば生物の体内では、新たな機能の発明よりも、既存の機能の転用がたびたび起きている。DNA内では、侵入してきたウイルスの遺伝子を宿主が奪ったり、破壊と革新をもたらす遺伝子が跳び回ったりしているのだ。 書は、世界中を探検し、化石を探し、顕微鏡を覗きこみ、生物を何世代も飼育し、膨大なDNA配列に向き合い、学会や雑誌上で論争を繰り広げてきた研究者たちへの賛歌でもある。 歴代の科学者と共

    進化の技法 | 転用と盗用と争いの40億年 | みすず書房
    Nihonjin
    Nihonjin 2023/08/18
    盗用、転用
  • 大学なんか行っても意味はない? | 教育反対の経済学 | みすず書房

    人気ブロガー経済学者が、経済学の概念「シグナリング」をキーワードに、現在の教育システムが抱える問題点を実証データで分析する。 なぜ学生は楽勝授業を探し、試験が終われば学んだことを平気で忘れてしまうのか? なぜ過去数十年で教育が普及したのに、平均的な労働者が良い仕事に就けず、学歴インフレが起きているのか? なぜ企業は、ほとんど使うあてのない学校教育を受けた労働者に給料を支払うのか? なぜ社会では、学校を卒業することが最大の協調性のシグナルになるのか? その答えのカギはすべて、「教育の最大の役割は学生のスキルを伸ばすことではなく、知力、協調性、仕事への姿勢についてのお墨付きを与えることにある」というシグナリングの考え方にある。書の示す問題解決への道筋は、高等教育縮小と職業教育拡充だ。 最新の社会科学による、教育への根源的かつ挑発的な問いかけ。 重要な問いを提起している。 ——『ガーディアン』

    大学なんか行っても意味はない? | 教育反対の経済学 | みすず書房
    Nihonjin
    Nihonjin 2020/09/25
    シグナリングで説明。/「本書の示す問題解決への道筋は、高等教育縮小と職業教育拡充だ」
  • 世界文学論集 | みすず書房

    『マイケル・K』『恥辱』のノーベル賞作家クッツェーは、みごとな小説家であるのみならず、すぐれた批評家でもある。ほとんど未紹介であったクッツェーの文学評論を精選した書は、エラスムスからガルシア・マルケスまでを論じている。まるでエンジニアのように作品のテクストを分解し、文章に隠された構造とその効力・政治性を指摘する手際は、じつに鮮やかだ。 「ツヴァイクとホイジンガは、エラスムスを彼らの政治的闘争の中の象徴的人物にするけれども、私が強調しようとするのは、エラスムスのテクストが、別の言説へと解釈されその一部となることに対して示す並はずれた抵抗である。」 「デフォーは確かにテーヌの言うように実業家だったが、言葉と思想を扱う実業家であり、それぞれの言葉や思想の重みがいくらか、価値がいくらかを実業家らしく正確に知っていた。」 「ゴーディマが巨匠たちから抽出するのは小説の理論というより芸術家の理論である

    世界文学論集 | みすず書房
    Nihonjin
    Nihonjin 2017/10/23
    クッツェー 告白と二重思考
  • 鶴見俊輔書評集成 2 | 1970-1987 | みすず書房

    〈私たちは、思想に、他をおしつぶすような力を求めすぎる。もちろん、それも思想の力の一種だけれども、その種の力だけを重く見ると、宣伝力といっしょくたになってしまう。そうなると、テレビを占拠しているものの思想が最大の思想ということになってしまう。学生運動の場合などでは、最も大きい声を出せるものが、最大の思想家ということになろう。そういう規準からすれば、非戦の思想とか、非暴力の思想は、重要な思想にはなり得ない。 だが、自分とちがうものに恐れず近づき、ちがうものをつなぐはたらきをするという思想のはたらきは、ちがう思想を理解することもなしに力でおしつぶすというやりかたとはちがう、おもしろい役割をになっている。日文化の重層性のふんぎりのわるさの中には、そのような理想が含まれているように思える〉(義円の母 1970) 第2巻(1970-1987)には、オーウェル、エリクソン、花田清輝、林達夫論から野坂

    鶴見俊輔書評集成 2 | 1970-1987 | みすず書房
    Nihonjin
    Nihonjin 2016/08/29
    「林達夫 本を読む生活者」「花田清輝の日本への回帰」「「老い」について考えるための文献」「イギリス民衆芸術覚書 小野二郎『紅茶を受皿で』」「劇学の軽い身ごなし ケネス・バーク『動機の文法』」 他
  • テクノロジーとイノベーション | 進化/生成の理論 | みすず書房

    「私にとって、経済とは少なからずそれがもつテクノロジーから生まれるものであった。結局のところ、ある意味、経済というのは私たちが必要とするものを供給するためのテクノロジーをうまく組織したものにすぎない。したがって経済のテクノロジーが進化するにつれて、経済も進化すると考えられる。だが、もしそうだとするならば、テクノロジーはどんなふうに進化するのだろう。そして、テクノロジーはいったいどこから発生するのだろう。経済は、そのテクノロジーをどのようにして生み出すのか? そもそも、テクノロジーとは厳密には何なのか?」(「はじめに」) 〈ポジティブ・フィードバック〉〈収穫逓増〉〈ロックイン〉などの新概念を経済学に導入し、テクノロジーに依存した産業の振るまいを的確に描写した鬼才が描く、イノベーションの未来。(1)テクノロジーは要素の組み合わせであり、(2)その要素自体がテクノロジーであり、(3)自然現象の利

    テクノロジーとイノベーション | 進化/生成の理論 | みすず書房
    Nihonjin
    Nihonjin 2016/04/12
    サンタフェ複雑系
  • 誤診のおこるとき【新装版】 | 精神科診断の宿命と使命 | みすず書房

    「診断とは、疾患について、疾患をもつ個体について、さらに個体をつつむ環境について、必要なあらゆることを知り尽くそうとする、終わりのない努力を意味すると言える」 『精神医学ハンドブック』で知られる著者が誤診例をまとめた名著。再刊にあたり、「うつ病の労務災害」「発達障害」「精神安定剤・睡眠薬の副作用」など今日的なトピックを追加した。さらに最終章に加えた論考「精神科診断の宿命と使命」では、診断に必要な経験と知識、操作的診断運用上の注意点を踏まえながら、あらためて精神科診断の基を整理する。 精神症状のみならず付随する身体症状にも着眼した症例検討は、精神科以外の医師にも日々の臨床の一助となるだろう。研修医から精神科志望者まで、診断学への入口に最適の一冊。 [初版(精神医学基文献シリーズHeritage)2009年11月発行] はじめに 第一部 精神科診断における誤診と了解 第一章 誤診とは 第二

    誤診のおこるとき【新装版】 | 精神科診断の宿命と使命 | みすず書房
    Nihonjin
    Nihonjin 2016/03/16
    「早まった了解」の問題
  • 善意で貧困はなくせるのか? | 貧乏人の行動経済学 | みすず書房

    マイクロファイナンスのパンフレットにきれいな女性の写真を載せると申し込みは増える? 検査を受けた人にお金を払えばHIV感染率は下がる? 貴重な善意を最大限に活かすためにはどうしたらいいの? ガーナ、ケニア、南アフリカ、インド、フィリピン、ペルー、メキシコ……理論と現実が一致しない途上国の複雑な世界にわけいって、そこから「クール」な答えを、次々と導き出している〈新しい経済学〉のいまを紹介。 人間心理が陥りがちな落とし穴をやんわりと回避させるための後押し(=ナッジ)の手法をふんだんに盛り込み、開発経済学の新しい知見を一般向けにやさしく語ります。 その新しさの特徴は、開発プロジェクトの「なにがうまくいって、なにがだめなのか」を社会実験ではっきり実証する点、そして人間の非合理性を考慮した新しい発想に基づいている点にあります。 「このには世界を変えるアイデアが詰まっている!」 P・シンガー(プリン

    善意で貧困はなくせるのか? | 貧乏人の行動経済学 | みすず書房
  • 美を生きるための26章 | 芸術思想史の試み | みすず書房

    「〈美〉とはなにかを考えることは、〈人間〉とはなにかを考え〈人間〉が太古の昔から現代にいたるまで、どんなことを考え、なにをしてきたかを考えることにほかならない。(…)美と出会うということは、美を生きることにほかならないのだ」。 芸術とはなにか。美を生きるとはどういうことか。そんな根源的な問いかけにたいする、汲めども尽きぬ源泉ともいうべき26の人物および事蹟(AtoZ)を繋ぎあわせて論じる、芸術思想史の大著である。 時代や洋の東西をも超えた幅ひろい教養と鋭い見識。太古から現代まで人類知を照らしつづける26の星座。各章とも、評伝としても、作品解釈としても、芸術エッセイとしても、入りやすくてしかも奥がふかい。 美と生きかたをめぐって、かれらは何をなしえたのか、何ができなかったのか。なぜ神格化されたのか、なぜ忘れ去られたのか。 太古から現代まで人類知を照らしつづける26の星座。圧倒的な知性と教養

    美を生きるための26章 | 芸術思想史の試み | みすず書房
  • 宮川淳 絵画とその影 | みすず書房

    「白日の中のこの影。絵画は否定し、消去することはできるだろう。だが、芸術はそのとき、まさしく、いよいよその影をあらわにする。」 近現代美術史からポスト構造主義まで、分野を越えてラディカルな思考を遺した批評家、宮川淳。アンフォルメル、反芸術、ネオダダ、ポップアートなど、現代美術が最も賑やかだった1960年代の美術批評を精選してまとめる。没後30年をへて、いまなお輝きを失わない、イメージと観念への透徹した眼差し。 「それは論理というものの質に属しているポエジーの明晰さというべきであろう」(建畠晢)。 アンフォルメル以後 変貌の推移  モンタージュ風に 反芸術  その日常性への降下 “永遠の可能性”から不可能性の可能性へ  ヴァレリアンであるあなたに 反芸術以後  美術界の現状と今後 芸術・作品・批評 オブジェの象徴的メタフォア  はじめてのジャスパー・ジョーンズ展を見て 絵画とその影 影の侵

    宮川淳 絵画とその影 | みすず書房
  • 天職の運命 | スターリンの夜を生きた芸術家たち | みすず書房

    史上最大の国家権力であったソヴェトのスターリン独裁下、芸術家たちはどう生きたのか。 農業集団化によるウクライナの飢餓、赤軍粛清、無実の者の逮捕と処刑、強制収容所、少数民族の迫害など、ソヴェトの負の歴史、とりわけこの時代の人間のありようは、ナチスの犯罪とくらべて明らかでないことが多い。書は徹底した実録により、個人の生き方と国家の動きが奏でる《時代の音楽》を再現する。 多くは体制賛美者、小心な加害者、無数の保身者として生きのびようとした。だが人類の創作史は、人生の最悪の日々につくられた傑作をたくさん知っている。 岡田嘉子と憧れの国に密入国したものの、メイエルホリドの偽りの罪状づくりに利用されて銃殺された演出家杉良吉。スターリンの求めで一枚だけのレコード用に演奏を録音後、あなたを罪人とみなすという手紙を送ったピアニスト、ユージナ。国家の保護を拒んで作品を一枚も手放さず、死後の美術館建設を夢見

    天職の運命 | スターリンの夜を生きた芸術家たち | みすず書房
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