衆院本会議後に、自身の周辺が「桜を見る会」の前夜祭を巡る費用の一部を補塡(ほてん)したと認めた問題について記者団の質問に答え、国会を後にする安倍晋三前首相=国会内で2020年11月24日、竹内幹撮影 安倍晋三前首相(66)の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反などの容疑で告発状が出ていた安倍氏について、年内にも不起訴処分とする方向で上級庁と最終調整に入った模様だ。安倍氏本人の…
菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題で、菅首相は国会で答弁する際、「法的に問題ない」との姿勢を崩していない。百歩譲ってもし法的に問題がないとしても、それで納得して是とできるかといえばそうもいかない。「行政における法の番人」と呼ばれる内閣法制局の元長官、阪田雅裕さん(77)に法的な問題の所在を尋ねた。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】 憲法との関係を考慮した絶妙な表現「基づき」 ――今回の任命拒否ですが、法的にはどう考えればよいのでしょうか。 ◆少し細かい話になりますので、法律の立て付けから順にお話しします。日本学術会議法では会員の任命について、「日本学術会議の推薦に基づき、首相が任命する」と定めています。まずこの「推薦に基づき」という表現がポイントです。 この「基づき」は、基本的には学術会議の推薦通りに首相が任命することを予定した表現といえます。逆に言えば、法は
オバマ時代の反省に立った政策を展開するか 2021年は新型コロナ禍からいち早く脱した中国と、米国との競争関係が注目される。気になるのは、バイデン政権が誕生することの意味合いだ。バイデン氏はオバマ政権2期8年のあいだ副大統領を務めており、4年の空白を経て、過去の政策と、今後の自らの政策をどのようにつなげていくのかが問われている。 そもそも08年にオバマ氏が大統領選に勝利したとき、米国はイラク戦争をめぐる議論の真っただ中だった。まだ若く実績もないオバマ氏が大統領になれたのも、イラク戦争に賛成した過去を持つヒラリー・クリントン氏をはじめとする民主党エスタブリッシュメントと異なり、過去に囚われない候補である清新さゆえだった。 しかし、米国が金融危機の衝撃から立ち直り、オバマ政権がイラクから撤退するとともに、アフガニスタンやリビアなどで民主化を進めようと前のめりになったその裏では、ロシアと中国が、か
日本学術会議の新会員候補6人が菅義偉首相から任命されなかった問題は、学術会議のあり方そのものにまで論点が拡大しつつある。9月まで会員だった本田由紀・東京大教授(教育社会学)は「菅首相は任命拒否の問題から学術会議のあり方に国民の目をそらそうとしているのではないか」と批判する。【木許はるみ】 ――本田さんは2014年9月に学術会議の会員になり、20年9月に6年の任期を満了しました。任命拒否の問題を発端に、政府は行政改革の視点で会議のあり方を検討しようとしています。 ♦そもそも今回の問題は、学術会議で完結するはずの会員の選考に政治が介入してきた手続き上の問題です。それにもかかわらず、学術会議の活動そのものに議論がすり替えられています。仮に会議のあり方に問題があったとしても、まったく切り離して考える必要があります。
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