【取材の裏側 現場ノート】コカ・コーラを見る度思い出す話がある。1997年、日本の女子バレーボール代表がゆとりがあるハーフパンツを着用して国際試合に臨んだ。国内リーグでもいわゆるブルマが敬遠され始めていたころだ。しかし来日していた当時の国際バレーボール連盟(FIVB)ルーベン・アコスタ会長は、オカンムリ。「バスケットボールじゃないんだ、ブルマに戻せ」。圧倒的な権力の持ち主だった同会長の発言は、すぐに通った。 なんであんなものをはかないといけないのか。自分の嫌な思い出も重なり、アコスタ会長に「どうしてそこまでこだわるのか」と直撃した。すると「君ね、キューバ選手を見てごらん。コカ・コーラシェイプだよ。あのカッコよさがないと」。選手の身体を、なめらかな凹凸のあるコカ・コーラの瓶にたとえ、女性の体にフィットしたユニホームを着た格好良さがバレーボールの人気向上には欠かせないと力説されてしまった。今考