クライヴ・バーカー(Clive Barker)著, 宮脇孝雄訳『丘に、町が』("In the Hills,the Cities,"『ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車』集英社 1987 集英社文庫 血の本〈1〉所収) フォルクスワーゲンで旅行中のゲイのカップルが、たまたま訪れたユーゴスラヴィアの田舎の町でとんでもない事件に巻き込まれた。二人が訪れた町とその近隣の姉妹町は、10年に一度ごとにある特殊な方法で戦闘を行っているという。住人が組み体操のように巨大なヒトガタを形成して、そのヒトガタ同士で戦闘を行うのだ。古来からの祭祀のようなものらしい。今回の戦闘で1体のヒトガタに参加した住人の総数は38765人……。二人の旅人の眼前に、雲を衝く巨人が現れた。 ホラ話でもこのくらいのスケールになると爽快感を感じる。イメージソースとしては「あとがき」にもあるようにゴヤの(助手の)作とされる『