大塚家具は6月3日、2016年12月期の業績予想についてリーマン・ショックの影響を受けた09年を上回る15億円強という過去最大の営業赤字に陥ると発表した。今回はその原因がどこにあるのか、どうすれば復活できるのかを考えてみたい。 中価格帯中心への路線変更 大塚久美子社長と実父で前会長の大塚勝久氏の対立は各メディアで詳報されているが、久美子社長が自らの方針として2015年2月25日に「3カ年(15~17年度)の中期経営計画」として掲げたのが「中価格帯中心への路線変更」だ。同年3月の同社第44回定時株主総会向けの資料にその骨子が書かれている。 まず、時代背景と顧客のニーズとして、同社が大型店舗をたて続けに出店した1990年代は、家具を「住宅という箱の“備品”としてのインテリア」「空箱を満たすための備品一式」として「まとめ買い」する需要があったとしている。それが、新築需要減少によって2000年代に