郡山市内に報道機関の取材を一切拒否する弁護士事務所がある。過去3回取材を申し込んだが、いずれも門前払い。「事務所の方針」と説明するが、弁護士本人は対応しないので理由は不明だ。 公正で正確に裁判を報道するために弁護士への取材は不可欠だ。民事訴訟では原告と被告の両代理人、刑事訴訟では検察と弁護人の双方に取材する。一方だけでは主張の偏った記事になる恐れがあるからだ。また法廷を傍聴するだけでは裁判の本質が判然としない場合があり、法解釈を含めて補充取材が必要になる。大多数の弁護士は趣旨を理解し、守秘義務を逸脱しない範囲で取材への協力を惜しまない。 「開かれた司法」の実現を目指し昨年から裁判員裁判がスタートした。公開が原則の裁判が、法曹三者の中で閉鎖的になっていた状況を、一般市民の参加で打開しようとの期待がある。日弁連が取り調べの可視化を求めているのも、閉ざされた捜査情報を公開し、冤罪(えんざい)事件