日本人が富裕感を極めたとされる1980年代後半のバブル経済は1991年末には「泡」となって消滅、以降「空白の10年」を迎えた。この間を国外で暮らし、昨年帰国して驚いたのが、25年以上連れ添った熟年夫婦の関係破綻の激増だ。急増していた離婚件数は2002年から減少基調に転じた。だが、それは07年4月から実施された年金分割受給権の獲得を妻が待っていたためで、以降、離婚件数は再び増加に転じた。 また、「家庭内離婚」は実際の離婚件数を上回るようだ。こんな中、比較的金銭と時間に余裕があり、心の飢えに苦しむ妻たちの身の寄せ場となっているのが新宗教団体だ。メディアに頻繁に登場する大規模教団やカルト型の著名教団などとは無縁な、会員数は数十万程度の無名に近い在家仏教教団に集う中高年女性らの声に耳を傾け、現代日本社会が抱える殺伐たる夫婦関係の実態をのぞいた。 ■法会参加者の告白 2008月11月某日。首都圏に近