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ブックマーク / newsweekjapan.jp (10)

  • 日本の「働く母親」に捧ぐ

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 先週、娘を保育園に迎えに行った帰り道のこと。同じ保育園に通う子供を自転車に乗せたある母親が、私の前を歩いていた。すると彼女は突然立ち止まって、自転車に突っ伏した。 彼女は疲れきっていた。あたりは真っ暗で、私が後ろにいることにも気づいていないようだった。10秒近い沈黙の後、私は彼女に声をかけた。「大丈夫ですか?」数秒かかって、彼女はこう答えた。「大丈夫です。すみません」 あの時の、名前も知らないお母さん。このコラムをあなたに捧げます。 この世に出産ほどミステリアスなものはない。何よりも革命的でありながら、同時にこれほど自然なこともない。子供の誕生はそれ自体が奇跡と言える。 それでも今の世の中には、子供をもちたくなくなる理由が溢れている。毎朝テレビや新聞で目にするのは、衰退する一方の世界だ。子供をつくるというのは、未来に悪いことが起きないというわずかな望み

    日本の「働く母親」に捧ぐ
  • 「モデル国家」スイスの終焉 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    難民も秘密資金もオープンに受け入れ、冷戦終結のきっかけを提供した中立国──そんなスイスのイメージが急落している 「500年間の民主主義と平和は何を生み出した?鳩時計さ」。映画『第三の男』で、オーソン・ウェルズはそう言ってスイスを嘲笑する。 もちろん実際は違う。20世紀のスイスは熟練した労働力と充実した道路・鉄道網を擁し、極めて効率的な経済と社会を築いていた。 同時にこのアルプスの小国は、もっと深遠な価値観を象徴していた。スイスではさまざまな民族と言語と宗教、農民と銀行家と技術者が独自の形で融合し、ほかの国なら分裂につながる要素を比較的うまく調和させていた。 世界経済フォーラムの年次総会がダボスで開催されるのは偶然ではない。スイスは長い間、グローバル化の推進派にとってモデル国家の役割を果たしてきた。 スイスという国は、経済面では規制を撤廃して税金を低く抑える一方、政治面では法の統治に基づく活

  • 「モスクワの春」の寒々しい現実

    ほんの2分間、ロシア政府を軽くからかっただけで政治的な衝撃が走る──ロシアの現状をよく表しているエピソードだ。 国営テレビの第1チャンネルは今年1月、ウラジーミル・プーチン首相とドミトリー・メドベージェフ大統領をモデルにした短編アニメを放映した。2人がモスクワの赤の広場でダンスを踊り、09年の重大ニュースをコミカルな歌で紹介するという内容だ。 これを見たリベラル派は歓喜した。長いこと政治的抑圧とメディア統制、「プーチン崇拝」の強制が続いてきただけに、このアニメはメドベージェフがついにロシアの改革に乗り出した証拠だと受け止めたからだ。 大統領はアニメの放映直前に行った一連の演説で、官僚の腐敗とロシア経済の欠陥を率直に認め、官僚機構の抜的見直しと腐敗した裁判所の改革、規制の簡素化などを約束。天然資源に依存した経済構造から脱却し、高度な「知識経済」を確立すると誓った。 さらにメドベージェフは最

  • 無人機「拡散」が生む脅威 | ビジネス | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    Defending Against Drones 無人機を作る技術が世界に拡散し始めた。これに大量破壊兵器を積んで飛ばせば、テロ組織も軍事大国並みの力をもつ レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラは05年、無人偵察機をイスラエルの町の上空すれすれに飛ばした。この偵察機は騒音がひどく、原始的なカメラ以外に武器は積んでいなかったが、アメリカのアナリストはテロ組織による思わぬ行動に懸念を抱いた。無人機が好ましくない勢力の手に渡る兆候とみたからだ。 この懸念は当たっていたようだ。今ではロシアやインド、パキスタンなど、少なくとも40数カ国が無人機の製造や購入、配備を開始。パリ航空ショーなど、世界中の兵器見市では多数の国が自国の試作機や新型機を紹介している。 過去半年間を見ても、イランは武器を搭載できる無人偵察機の生産を始め、中国アメリカのプレデターとグローバル・ホークのライバルとなる無人機

  • 10代の妊娠が減ったというが

    米室病対策センター(CDC)の報告によると、アメリカでは08年、10代(15~19歳)の出産率が2%減ったという(予備調査データ)。この出産率だが、90年代から2000年代にかけてゆるやかな下り坂で、06~07年に上昇し、それが今回また下落したので喜ばしいニュースとして受け止められている。 なんせ10代のアメリカ女性の3割が20歳までに一度は妊娠するというのだから、ちょっと驚いてしまう。国連の人口統計年鑑(06年)によれば、先進国の中で10代の妊娠率が飛び抜けて高いのもアメリカだ(日は低いほうから3番目と、まあ優等生)。 アメリカでは「結婚するまでセックスするな」と禁欲のみを説く性教育(abstinence-only education)と、避妊方法まで教える包括的性教育(comprehensive sex education)のどちらが有効かをめぐってずっと議論が続いている。 禁欲教育

  • 愛する家族を殺す男たちの狂気

    哀しい末路 人気プロレスラーのクリス・ベノワは07年にナンシーと7歳の息子を殺して自殺 George Napolitano-FilmMagic/Getty Images フロリダ州在住のニール・ジェイコブソンは1月23日に、と双子の息子を射殺した容疑で逮捕された。ほんの数時間後には、子供たちの誕生日を祝うはずだった。 地元の報道によると、ジェイコブソンは父親の死や度重なる事業の失敗で、徐々に気分が落ち込んでいたという。彼は家族を殺害した後、大量の薬を飲んで自殺を図った(結局死に切れず、第1級殺人罪で裁判にかけられている)。 何ともゾッとする犯罪だ。一体何が人間をこれほどおぞましい行為に駆り立てるのか。 家族殺しの犯人は、理解されていない部分が非常に多い殺人者だ。大抵は自殺したり直後に自白するので、事件はすぐに解決し、報道されなくなってしまう。 そのため、これまで家族殺しに走る人間の心理

    愛する家族を殺す男たちの狂気
  • 巨乳レストラン「フーターズ」の社長が皿洗いとして自社の店に潜入!

    「アンダーカバー・コップ」というと身分を隠して潜入捜査する警察官のことだが、米CBSテレビの『アンダーカバー・ボス』は、大企業のCEOが自社の末端の労働者として仕事の現場に潜入する番組。 たとえば全米のゴミ処理を独占するWM(ウェイスト・マネージメント)社のCEOがゴミ回収の仕事に就く。周囲は彼が社長だとは知らない。テレビカメラは撮り続けているが単なる取材だと言われている。だからゴミ回収車のドライバーが社のCEOを「このオッサン、いい歳して全然使い物にならないな!」と怒鳴りつけたりする。ボスは初めて社員の苦しみ、生活の厳しさを知り、待遇改善の必要を感じたりする。 先週の「アンダーカバー・ボス」はフーターズの社長コビー・ブルックスだった。フーターズは巨乳レストラン・チェーンだ。ウェイトレスはみな巨乳、それがピチピチのタンクトップとホットパンツでむちむちぷりんと客を迎える。女の子の乳と尻と太

    巨乳レストラン「フーターズ」の社長が皿洗いとして自社の店に潜入!
    emiladamas
    emiladamas 2010/02/20
    この記事を読んだ人のうち何人が「フーターズ」で画像検索したのだろうか。
  • 産休後進国アメリカの愚

    先進国で有給の育児休暇が保障されていないのは2カ国だけ。そのうちのオーストラリアでこの春、11年から有給の出産・育児休暇を義務付ける法案が可決された。アメリカは今や、そうした制度のない唯一の先進国になってしまった。 それでも小さな前進はあった。6月4日、連邦政府職員に4週間の有給出産休暇を認める法案が下院で可決された。実は昨年、同じような法案が下院で可決され、上院で否決されている。今回も簡単には上院を通過しそうにない。 そう考えると、オーストラリアの例は1つのヒントになるかもしれない。07年に首相の座に就いた労働党のケビン・ラッドは子育て支援を選挙公約に掲げた。彼は、与党だった保守派の自由党は子育て家庭の労働時間を増やす一方で、賃金引き下げの市場圧力から家庭を守っていないと批判。つまりラッドは、政府の責任を重んじる左派の立場に立ちながら、右派が得意とする「家族の価値」を前面に出したのだ。

  • イスラエル排斥論の大波紋

    パレスチナ問題の解決には国際社会がイスラエルをボイコットするしかない──有力イスラエル人学者がそう表明したため波紋が広がっている 8月20日、ロサンゼルス・タイムズ紙は「イスラエルをボイコットせよ」と題した勇気ある論説を掲載した。 テーマは、ヨルダン川西岸とガザ地区の占領を続けるイスラエルに対する「BDS(ボイコット、資の引き揚げ、経済制裁)キャンペーン」について。執筆者のイスラエル人政治学者ネーブ・ゴードンは、パレスチナ問題の解決策としてボイコット運動をやむなく支持すると表明した。 ベングリオン大学(イスラエル)政治科学学部で学部長を務めるゴードンは、多くの著書があり、大学から終身在職を保障されている研究者。敬虔なユダヤ主義者であり、イスラエル国防軍のエリート部門である空挺部隊での兵役中に負傷したこともある。 論説の中でゴードンは、イスラエルは歴史的な転換点に立っており、最悪の事態を回

  • アメリカの医療保険制度は最高だ!

    病気になったら? カリフォルニア州ベニスで健康診断を受ける無保険のドナジ・クルスちゃん(3歳、09年6月) Lucy Nicholson-Reuters 申し訳ないが、私はアメリカの医療保険制度は現状のままでいいと思っている。私は医療保険に加入しているし、4700万人の無保険者のことなど知ったことじゃない。誰かがバラク・オバマ大統領と議会を止めるべきだ。医療改革法案を葬れ! 私は今のままのほうがトクなのだ。 「医療の公営化」に反対する手紙を大統領に出し、「私のメディケア(高齢者医療保険制度)に手を出すな」と書いた女性に私は賛成だ。メディケアが公的医療制度であることはともかく、そうこなくては! 私が連邦議員たちと同じ高水準の保障を得ていい道理などあるだろうか。法案に反対していた民主党の保守派議員などは「ブルー・ドッグ(青い犬)」と言われるだけあって顔色が悪く、たくさんの医療サービスを必要とす

    emiladamas
    emiladamas 2009/08/05
    まあ本気でそう思っている人もいるみたいだけど。http://scarecrowstrawberryfield.com/#entry3741
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