【ソウル=桜井紀雄】韓国で位置追跡装置を内蔵した「電子足輪」を切断して逃走した男が、女性2人を殺害していたことが判明し、社会に衝撃が広がっている。韓国では性犯罪など再犯の恐れが高い前科者に対し、出所後も一定期間電子足輪を装着させる制度を行ってきたが、制度の限界を指摘する声も出ている。 複数の韓国メディアによると、男はソウル市の50代で、女性を狙った強盗や強制わいせつ罪で懲役15年を言い渡されて服役。今年5月に出所していた。8月29日に女性の遺体を載せた車で警察署に出頭し、2件の殺人を自白したという。 31日に裁判所に出廷した際は、報道陣のマイクを蹴るなど暴れた上、「もっと殺せないのが残念だ」と言い放って暴言も吐いた。 電子足輪の切断は27日夕に確知され、警察が捜索していたが、男の出頭まで見つけ出せなかった。足輪を切断する前日夜に40代の女性、29日夜に車の中で50代の別の女性を殺害したとい