旅が終わる気がする

私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。 事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから本当に離れたかったのだなと気がつきました。 一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。 これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。 電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。 それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギ

[mazmot]

大賞に選ばれることはないだろうけど、私は今期の増田文学賞にそっと推したいな

[oyatsuda_3oclock]

私の夫が増田のような人。いつかふっとこの町を出ようと言い出しそう。「一緒に行く？」って聞いてくれると思う。「一緒に行く」って答えたいと思っている。

[unfallen_castle]

とてもいい文章なので皆読んで欲しい。こういうのが月に1回くらいは読めるのが増田のいいところだ

[poponponpon]

suumoに寄稿するとよい

[soraboby]

なんて幸せな旅の終わりなんだ…。そしてまた新しい旅の始まりなんじゃないかな…

[mitz_008]

ガス灯のようなやわらかい光の文章

[wosamu]

小説だとは思うのだけど、家族がいるのに突然失踪する人とかってこういうタイプの人なのかもね。そういうなんというか漠然とした不吉な未来を予想させる結末で好き。

[wdnsdy]

人間って今が幸せかどうかで、過去も幸せだったかどうかまでが改変されてしまう生き物だよな

[wuzuki]

私がフェイク入れて書いてるのかと思った……。私は転勤族だったので、ひとつの場所に住み続ける人生がまだ想像できない。そもそも、同じ場所での友人関係を5年以上続けること自体が今、ほぼ初めての経験。

[sonzinc]

お幸せに

[jantyran7]

このまま放っておくと、私は恋人とこの街に徐々に侵食されて、いつか個を失ってしまうのではないかという気がしています。 でも、それも悪くないと考える自分もいます。

[tama3333]

主演 綾瀬はるかで読んだら凄く良かった

[yodogawa-kahan]

向井くんの存在を知った同日に最終回を見てしまった。

[nuu_n]

“その事実はしびれるような幸福感をもたらしてくれました”初めて一人暮らしをした時のあのとびきりの幸福感を思い出した。配偶者のことは好きだけど離婚しない限り一生一緒かと思うとうんざりもする。

[hiro-okawari]

“彼は、好きですねと答えました”女の人やったんか

[elm200]

出だしからよい。粒子のくだりもよい。

[ysync]

独特の雰囲気で、その世界に入ったのに、直後に来るトラバツリーの軽い空気感とのギャップがすごく心地よかったｗ

[mashori]

久しぶりの増田文学、感。良い文でした。

[bluescreen]

なんとなく、「こんばんは、●●です」シリーズの匂いに近いものを感じる。 https://anond.hatelabo.jp/20200522012341 https://anond.hatelabo.jp/20200109021317

[onesplat]

北陸だな

[versatile]

自我を無くして大きな何かの一部になることは、最高に気持ちいいらしいよ。ドラッグや瞑想もそれのためにみんなやるみたいだよ（てきとう

[Alice1017]

もっとこの人の文章を読んでみたい

[x_musa]

最初筆者が女性と思わなくて、急に恋愛のストーリーを語り始めた時点で女性だと気づいた

[rlho]

今まで暮らしてきた街の景色や人々、初めて一人暮らしをしたときのわくわくするあの感じ、寒くていつも天気が悪い白くて小さな私の故郷のことなどを考えて、 気持ちわかる。そしてすごく気持ちのいい文章だなあ…"旅

[kikuchi1201]

良い文章だ

[muimuim]

ひとつの旅が終わって、今度は2人での旅が始まるんだね。

[iga_k]

朝から炭酸水にレモンを搾ったような良い文を読んだ。（本文とは関係ない感想）私は冒頭は主人公を男女入れずに中性的に読めるのだが、恋人が出てくると中性視点で読み続けられなくなることを発見した。

[misarine3]

昔の自分に似ている。でも二人は決して一人にはならないし、なれない。増田の粒子も相手に少しずつ染みているから安心できるんだよ。

[ueshin]

ひとつの場所の理不尽さ、閉塞感を、いろんな土地で暮らすことで客観性や傍観性という大切な経験を蓄積したのだろうね。同じ場所に縛られても、その逃げ出せる精神とノウハウを忘れずに。

[inurota]

今日の増田文学。とても共感する。

[ototohato]

短編小説のような心地よい気持ちになりました。

[Syncrea]

増田文学2020年度ノミネート作品

[solunaris149]

　なんか読んじゃった増田かよ

[heavenward]

とてもエモーショナル。素朴ながらかなりヒキのあるこのタイトルも効果的だったと思う

[tbsmcd]

吉田拓郎の『大阪行きは何番ホーム』を感じる https://youtu.be/BG5mpTVWuTI

[sumakaigan]

駄作。最初から読む気失せた

[y-mat2006]

小椋佳の「また旅支度」を思い出した。

[kaerudayo]

「今まで暮らしてきた街の景色や人々、初めて一人暮らしをしたときのわくわくするあの感じ、寒くていつも天気が悪い白くて小さな私の故郷のことなどを考えて、旅をしてきたのではないはずなのに楽しい旅だったなと」

[makiko0u0]

美しい。そして羨ましい。

[adsty]

旅が終われる気がする。