3月期決算企業では、第3四半期(10~12月期)の連結決算発表が一段落して、残すは期末決算だけとなった。だが、今回の期末決算、これまでとは勝手が違う点がいくつもある。企業会計と情報システムは不可分であり、今後はIFRS(国際会計基準)の適用に向けて基幹システムの見直しが各社で本格化する可能性があるだけに、システム担当者も企業会計を取り巻く変化の大枠を把握しておくのがいいだろう。 従来の営業利益・経常利益・純利益に包括利益が加わる 2011年3月期決算で最も目立つ変化の一つが、連結財務諸表で「包括利益」の表示が義務付けられることだ。これまでの連結損益計算書の営業利益、経常利益、当期純利益に加えて、「その他の包括利益」が表示され、最終行は当期包括利益となる。2010年9月期決算からの適用が認められているが、今のところ日本基準採用企業で連結(損益及び)包括利益計算書を提出した例は見当たらず、11