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ブックマーク / gendai.media (144)

  • 70歳男性の約半数が働き続ける日本社会、多くの人が意外と知らない「大きな転換点」(坂本 貴志)

    年収は300万円以下、当に稼ぐべきは月10万円、50代で仕事の意義を見失う、60代管理職はごく少数、70歳男性の就業率は45%――。 10万部突破のベストセラー『ほんとうの定年後』では、多数の統計データや事例から知られざる「定年後の実態」を明らかにしている。 2000年代以降、就業率は反転上昇へ 総務省「国勢調査」を利用し、60歳、65歳、70歳、75歳時点の就業率の推移を追ったものが図表1-11となる。 1980年からの就業率の推移をみると、就業延長が進んだのは実はここ十数年のことである。男性の60歳時点就業率をみると、1980年には79.8%であったが、2000年には70.0%まで落ち込む。しかし、2010年には74.4%と10年間で4.4%ポイント上昇し、2010年以降はさらに上昇率が高まり2020年時点では78.9%にまで達している。65歳時点就業率も傾向は概ね同様である。200

    70歳男性の約半数が働き続ける日本社会、多くの人が意外と知らない「大きな転換点」(坂本 貴志)
  • 「源泉徴収はナチスの発明」というウソ(田野 大輔) @gendai_biz

    ナチスの政策のなかにも「良いもの」はあった。ネット上を中心にしばしばそんな主張を見かける。 しかし実はそうした主張の多くは少なからぬ事実誤認を含んでいたり、政策の全体を見ずに一部だけを切り取っていたりする――そうした巷間の「ナチス擁護論」の杜撰さと危うさを指摘した『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(小野寺拓也・田野大輔)がベストセラーとなっている。 「ナチスは良いこともした」という主張の根拠の一つとしてしばしば持ち出されるのが、「源泉徴収はナチスが発明した」という説だ。同書の著者の一人である甲南大学教授の田野大輔氏が、この説の虚実、そして、なぜこの説が広まったのかを検証する(文中敬称略)。 当に「ナチスの発明」か? 日の税制のことが話題になるとき、しばしば紹介される俗説がある。「源泉徴収はナチスの発明」――給料から税金を天引きする制度を作ったのはナチスだという説である。SNS

    「源泉徴収はナチスの発明」というウソ(田野 大輔) @gendai_biz
  • 「君は歴史の審判に耐えられるのか?」不眠不休、コロナ禍で尾身茂に突きつけられた究極の問い《コロナ専門家はなぜ消されたのか》(広野 真嗣) @gendai_biz

    前篇「Wi-Fiさえ通じず、冷蔵庫の電気代さえケチった厚労省「コロナ緊急対策室」の体たらく」に引き続き、ノンフィクション作家・広野真嗣の新刊『奔流 コロナ「専門家」はなぜ消されたのか』に綴られた衝撃のドキュメントを紹介しよう。 誰も正解を知らないパンデミックとの闘い 未知なるパンデミックとの闘いは、日屈指の頭脳をもつ専門家にとっても手探り状態だった。 〈「尾身(茂)さん、どうもおかしい」 【※パンデミックスタート直後の二〇二〇年】二月半ば、押谷(仁)からこう報告があったと尾身はいう。 「感染者の接触歴を調べても、濃厚接触者から感染者が全然出ない。感染者五人のうち感染させているのは一人だけ。なのに実際に流行は起きている。不可解なんです」 押谷の専門分野である疫学解析は、メカニズムが解明されていない段階であっても、感染者の共通項を洗い出すことで将来の感染の回避につなげる洞察力がものをいう。

    「君は歴史の審判に耐えられるのか?」不眠不休、コロナ禍で尾身茂に突きつけられた究極の問い《コロナ専門家はなぜ消されたのか》(広野 真嗣) @gendai_biz
  • 【独自】政権に切り捨てられた「コロナ専門家」たちの悲惨な末路…なぜ尾身も西浦も感謝されなかったのか《コロナ専門家はなぜ消されたのか》(広野 真嗣) @gendai_biz

    1月17日に緊急出版される広野博嗣『奔流 コロナ「専門家」は、なぜ消されたのか』(講談社)が発売前から話題になっている。当事者である西浦博氏自身が、自身のXで「自分で言ったこととはいえ、この国に関するエピローグの締めくくりを読んでつらい気持ちになってしまいました」と語っている。 政権と世論に翻弄されながら危機と闘ったコロナ感染症「専門家」たちの悲劇とは何だったか? 弩級ノンフィクションの一部を紹介しよう。 英国の「その後」はなぜ日と段違いなのか 西浦博が「完全にディフィーテッド(敗北)」と悔しそうに総括したこともあった。 それは政府に参画して分析を提供する専門家の層の厚みにおいて、疫学の先進国に彼我の差を見せつけられたことだ。22年2月に世界に先駆けてコロナの規制を全廃した英国は「その後」が優れていたという。 「緩和の後、英国は1年以上にわたってオックスフォード大学やケンブリッジ大学が国

    【独自】政権に切り捨てられた「コロナ専門家」たちの悲惨な末路…なぜ尾身も西浦も感謝されなかったのか《コロナ専門家はなぜ消されたのか》(広野 真嗣) @gendai_biz
  • 【独自】「コロナ8割おじさん」西浦博、悲痛の告白「あんまりだという思いはあります」《コロナ専門家はなぜ消されたのか》(広野 真嗣) @gendai_biz

    1月17日に緊急出版される広野博嗣『奔流 コロナ「専門家」は、なぜ消されたのか』(講談社)が発売前から話題になっている。当事者である西浦博氏自身が、自身のXで「自分で言ったこととはいえ、この国に関するエピローグの締めくくりを読んでつらい気持ちになってしまいました」と語っている。 政権と世論に翻弄されながら危機と闘ったコロナ感染症「専門家」たちの悲劇とは何だったか? 弩級ノンフィクションの一部を紹介しよう。 海外では惜しみない拍手が 2023年9月5日、私は京都駅の上にあるホテルの喫茶店で、京都大学大学院教授の西浦博に会った。尾身茂が新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長として最後に岸田文雄に面会してからちょうど1週間後のことだ。官邸からの去り際の朗らかな尾身の表情をどう見ていたのか。それを質問したかった。西浦は、こう答えた。 「あんまりだという思いはあります。キックアウトですよね」 なぜ

    【独自】「コロナ8割おじさん」西浦博、悲痛の告白「あんまりだという思いはあります」《コロナ専門家はなぜ消されたのか》(広野 真嗣) @gendai_biz
  • 行方の見えない「ガザ危機」で、これから起こりうる「3つの主要なシナリオ」(篠田 英朗) @moneygendai

    行方の見えない「ガザ危機」で、これから起こりうる「3つの主要なシナリオ」 4日間の休戦は良い兆しだが ガザ危機の行方が見えない。人道危機が深刻化する一方、戦争の終わりは見えない。4日間の休戦によって、人質の一部の交換解放が行われた。良い兆しではある。だがこれがどのような中期的・長期的な政治的展開につながっていくのかは、依然として不透明なままだ。 現状で、確定的な見通しを出すことは、誰にもできない。ただし、だからこそ、起こり得るシナリオの範囲を見定めながら、将来に向けた布石を打つ、あるいは少なくとも政策的対応をするための準備をとっておくことは、必要なことである。 稿では、その観点から、可能性の範囲を見定めて、主要なシナリオのパターンを描き出すことを試みる。 シナリオ1:イスラエルの全面勝利 イスラエルとハマスの軍事的な対決が、現在の戦争の基構図だと考えてみよう。その構図にしたがって軍事的

    行方の見えない「ガザ危機」で、これから起こりうる「3つの主要なシナリオ」(篠田 英朗) @moneygendai
  • 中学生が習う6つの岩石「覚えられない」のは暗記教育のせい…?学者も反対した「過去のモデル論」のほうが圧倒的にわかる「納得の理由」(藤岡 換太郎)

    中学生が習う6つの岩石「覚えられない」のは暗記教育のせい…?学者も反対した「過去のモデル論」のほうが圧倒的にわかる「納得の理由」 私たちが暮らす地球、その大地の性質を「地質」といい、これを研究する学問が「地質学」です。地球はおもに、マントルなど基礎をなす部分に多い「橄欖岩(かんらんがん)」、海洋の近くで多く見られる「玄武岩」、大陸をなす「花崗岩」の三つの石でできているといいます。 中学校の理科では、6種類の代表的な鉱物を習います。テスト前にこの6種の岩石の名前を覚えるの苦労した方もいるのではないでしょうか。今回は、この中学校で習う「六つの代表的な石」を取り上げ、石の成り立ちにまつわるお話をお届けします。 *稿は、ブルーバックス『三つの石で地球がわかる』の内容を再構成してお送りします。 中学校の理科で習う六つの石 中学校の理科では、少なくとも次の六つの石の名前を覚えることになっているようで

    中学生が習う6つの岩石「覚えられない」のは暗記教育のせい…?学者も反対した「過去のモデル論」のほうが圧倒的にわかる「納得の理由」(藤岡 換太郎)
  • 「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」(週刊現代) @moneygendai

    手続き上の問題が続出するマイナンバーだが、個人情報が漏れさえしなければ…という向きもあった。ところがそれは淡い願望に過ぎなかった。前編記事『中国マイナンバーと年金情報が「大量流出」していた…厚労省が隠蔽し続ける「不祥事」の全容』では、日年金機構の委託業者から中国のネット上に個人情報が流出した経緯、それを隠そうとする日年金機構や厚生労働省の対応の顛末を報じた。彼らが隠していることを、記事でさらに浮き彫りにしよう。 岩瀬達哉(いわせ・たつや)/'55年、和歌山県生まれ。'04年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』で講談社ノンフィクションを受賞。著書に『新聞が面白くない理由』『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』『キツネ目 グリコ森永事件全真相』(いずれも講談社刊)ほか多数 理事長のウソ まさか、国会で堂々と嘘を述べるなど、誰も想像すらできない。個人情報の流出をなかったことにしたかった、機構

    「年金の申告書」をスキャンして中国に「丸投げ」…?日本年金機構がひた隠す「ヤバすぎる個人情報流出」の実態とトップが取材で語った「虚飾のストーリー」(週刊現代) @moneygendai
  • 目からウロコ…東大の総長が「自分の頭で考えよ」という物言いを「危うい」と感じた理由(学術文庫&選書メチエ編集部)

    「自分の頭で考える」? 「自分の頭で考えなさい」。わたしたちがしばしば耳にする言葉です。 とくに4月を迎え、いよいよ「新生活」がはじまったという方は、あたらしい環境での訓示などにおいて、「自分の頭で考える」ことの重要性を強調される機会もあるかもしれません。 しかし、「自分の頭で考える」のは当によいことなのでしょうか? そもそも「自分の頭で考える」というのはどういう意味なのでしょうか? さらに、考えることや、知性を用いることを得意とする人たちは、「自分の頭で考える」ことをどのように位置付けているのでしょうか? たとえば、日の知性の「トップ」とも言える東京大学の総長はどのようなことを語っているか。 フランス文学や映画の研究者で作家としても知られる蓮實重彥氏は、1997年4月1日から2001年3月31日まで、東京大学の第26代総長をつとめていました。 ここで注目したいのは、蓮實氏が東京大学の

    目からウロコ…東大の総長が「自分の頭で考えよ」という物言いを「危うい」と感じた理由(学術文庫&選書メチエ編集部)
    facebooook
    facebooook 2023/04/06
    「何かを理解したかのような気分」の蔓延は、そうした変化や変容の芽を、いたるところでつみとってしまいます。」 蓮實重彥氏
  • もううんざり! 競争社会から降り始めた現代のディオゲネスたち(木澤 佐登志)

    私たちはなぜ有用な人間であることを証明しつづけなければならないのか? 「生産性」という病に取り憑かれた社会を解剖し、解毒剤を練り上げる、気鋭の著者による待望の新連載! 第1回は、寝そべり主義、#最後の世代、ゴブリンモード、大量離職、サイレントテロなど、生産性のロジックを基盤とした苛烈な競争社会に対して静かなる抵抗を始めた、「現代のディオゲネスたち」を追う。 (毎月1日頃更新) 寝そべることで見えてくる世界の真実 ふたつの記事からはじめたい。 ひとつ目は、『ダイアモンドオンライン』に掲載された「中国の過酷な受験戦争を勝ち抜いた若者が「寝そべり族」になってしまう理由」という二〇二一年七月の記事。 経済の急速な発展による社会競争の激化。格差のとどまることを知らない拡大。壮絶さを極める過酷な受験戦争。そんな厳しい競争社会である中国、そこで生きる若者たちがいま、静かに競争から降りようとしているのだと

    もううんざり! 競争社会から降り始めた現代のディオゲネスたち(木澤 佐登志)
  • 【卵の取引価格が1.8倍】「鳥インフルで過去最多の1200万羽、全国の7%を殺処分」の衝撃(週刊現代) @gendai_biz

    鳥インフル大流行で卵の価格高騰が止まらない 鳥インフルエンザが猛威を振るい、家計に打撃を与えている。今季、殺処分された鶏は過去最多の1200万羽を突破。全国の鶏の7%に相当し、「物価の優等生」である卵の価格高騰に拍車をかけている。鳥インフルのシーズンは4月頃まで続くため、処分される鶏はさらに増える恐れもある。 対策の陣頭指揮を執るのは、農林水産省の森健消費・安全局長('87年入省)だ。大臣秘書官などを歴任しエリート街道を歩んできた森氏は、自民党農林族が復活を強く望み、20年ぶりに再設置された畜産局のトップも務めた。今夏の人事で水産庁長官や次官級の農水審議官に昇格するとの見方が浮上している。 だが、障壁も高い。鳥インフルに加えてロシアウクライナ侵略に伴う餌代高騰を受け、卵の価格上昇に歯止めがかからず、1月末の卵の取引価格(1kg当たり、Mサイズ)は前年比1.8倍の290円に跳ね上がった。

    【卵の取引価格が1.8倍】「鳥インフルで過去最多の1200万羽、全国の7%を殺処分」の衝撃(週刊現代) @gendai_biz
  • 新書大賞受賞! ‟きちんと化”する世界になぜ現代思想が必要なのか(千葉 雅也)

    千葉雅也さんの『現代思想入門』が、祝「新書大賞2023」大賞受賞!! なぜ、今、現代思想なのか? なぜ、この、入門書なのか? その答えがここにある! 今なぜ現代思想を学ぶのか このは現代思想に入門するです。 ここで言う「現代思想」とは、1960年代から90年代を中心に、主にフランスで展開された「ポスト構造主義」の哲学を指しています。フランスを中心としたものなのですが、日ではしばしば、それが「現代思想」と呼ばれてきました。 書では、その代表者として3人を挙げたいと思います。 ジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーです。 他にジャック・ラカンやカンタン・メイヤスーなどにも触れることになりますが、このではとにかくデリダ、ドゥルーズ、フーコーという三つ巴をざっくり押さえます。この三人で現代思想のイメージがつかめる! それが書の方針です。 では、今なぜ現代思想を学ぶのか。

    新書大賞受賞! ‟きちんと化”する世界になぜ現代思想が必要なのか(千葉 雅也)
  • 巨大化した火山島「西之島」…マグマの変化で噴火様式が激変!(前野 深)

    島はどのようにできるのか【第7回】 世界有数の火山国であり、同時に海洋国でもある日。近年、小笠原諸島・福徳岡ノ場や西之島で噴火活動が起こり、激しく噴煙をあげる様子や溶岩が海に流れ出る様子が映し出され、その脅威に目を見張るばかりです。 しかし、大きな経済的打撃を与えたことで話題となった漂流軽石の問題をはじめ、津波やマグマ水蒸気爆発など、海域火山は災害要因となるリスクもはらみます。 連載で、最初に取り上げ、今も成長を続ける火山島「西之島」の最新の姿を見ながら、海域火山研究の重要性を考えてみたいと思います。 貴重な海域火山噴火の観測記録 日は世界有数の火山国であるとともに、海洋大国でもある。海域での火山噴火や災害が必然的に起こりやすい環境にある。近年の小笠原諸島・福徳岡ノ場や西之島の噴火の際には、激しく噴煙をあげる様子や溶岩が海に流れ出る様子、火山島の誕生と消滅など、躍動的な火山噴火の様子

    巨大化した火山島「西之島」…マグマの変化で噴火様式が激変!(前野 深)
  • 「中動態」っていったい何?話題の哲学者・國分功一郎の思想を読み解く(山口 尚)

    『暇と退屈の倫理学』や『中動態の世界』で一躍有名になった哲学者・國分功一郎。「中動態」という古典ギリシア語の文法用語を用いて、人間の意志や責任を問う彼の思想の狙いは、どのようなものなのだろうか。日哲学の最前線で活躍する6人の哲学者の思想を独自の切り口から概観した新刊『日哲学の最前線』から、哲学者山口尚さんによる『中動態の世界』の解説の一部をお送りする。 関連記事:J-POPならぬ「J哲学」!日哲学の最前線がここに 言語による思考の束縛 『中動態の世界』のひとつの目標は「意志」という概念の批判である。とはいえこのの射程はもう少し広い。なぜなら同書は、私たちは言葉の枠組みに縛られがちだ、という根的事態も指摘するからである。 じつに私たちは言葉を通してものを考えるのだが、その結果、言語の枠組みは私たちの思考を束縛しうる。《言語は思考を可能にするものであると同時にそれを縛るものでもある》

    「中動態」っていったい何?話題の哲学者・國分功一郎の思想を読み解く(山口 尚)
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    facebooook 2022/11/06
    “能動態は「主体から発して主体の外で完遂する過程」を表現し、中動態は「主語がその座となるような過程を表しているのであって、主語はその過程の内部にある」”
  • 大丈夫なのか、岸田外交…安倍元首相と比べ、岸田首相に「欠けているモノ」(篠田 英朗) @moneygendai

    岸田首相が実現したいものは何か 安倍元首相の死去後、統一教会と自民党の関係に注目が集まり、国葬実施に反対する方々の運動が盛り上がっている。それにあわせて、岸田内閣の支持率が目に見えて下降した。 首相就任後9カ月の間に衆参両議院の二つの国政選挙を危なげなく乗り切った岸田首相は、安倍元首相の暗殺によって、潮目が変わったかのような困難に直面している。先手を打つかのように、8月10日に内閣改造を行ったが、効果がなく、かえって手詰まり感を演出してしまっている。 今後3年ほどの間、国政選挙がない可能性がある。来であれば、実施したい政策に落ち着いて取り組むべき黄金期間だ。だが残念ながら、日々のニュースでは、心配な要素ばかりが目に付く。統一教会や国葬実施といった突発的な問題への「国民の理解」を求めることには忙殺され、政権としてどんな政策を遂行したいのかが見えてこない。 来であれば、官邸や自民党執行部に

    大丈夫なのか、岸田外交…安倍元首相と比べ、岸田首相に「欠けているモノ」(篠田 英朗) @moneygendai
  • 分断やエコーチェンバーは本当に起こっているのか? ネット炎上の「正体」(飯田 一史) @moneygendai

    計量経済学者の田中辰雄・慶應義塾大学経済学部教授の調査によれば、ネットへの書き込みが過去1年以内に60回を超える人は全体の0.23%だが、この60回以上書き込んでいる人の書き込みがネットへの書き込み全体の50%を占めている。また、過去に炎上に参加したことがある人は全体の1.79%、ネットで政治争点について意見表明する人の数は過去1年に限ると2~3%しかいない。 インターネット上では、こうした極端な意見を大量に書き込む人が、中庸で穏健な人たちの言論を追いやり、押し黙らせる構造になっており、結果「分断」が進行しているように見える――ではどうすればいいのか。『ネット分断への処方箋』(勁草書房)を著した田中氏に訊いた。 攻撃的なごく一部の人が書きまくることで、中庸な穏健派は沈黙を選ぶ ――田中先生は以前から、過激な意見、攻撃的な書き込みを大量に発信する人が全体のごく一部にいるだけであって、人々が総

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  • 世界の単純化が進む今だからこそ知っておきたい、現代思想(千葉 雅也)

    「現代思想は、秩序を強化する動きへの警戒心を持ち、秩序からズレるもの、すなわち『差異』に注目する。それが今、人生の多様性を守るために必要だと思うのです。」 現代思想の旗手・千葉雅也氏が満を持して放つ「入門書」の決定版、ついに刊行! 日はその『現代思想入門』のなかから「はじめに 今なぜ現代思想を学ぶのか」の前半部を特別に公開します!(後半部はこちら) 今なぜ現代思想を学ぶのか このは現代思想に入門するです。 ここで言う「現代思想」とは、1960年代から90年代を中心に、主にフランスで展開された「ポスト構造主義」の哲学を指しています。フランスを中心としたものなのですが、日ではしばしば、それが「現代思想」と呼ばれてきました。 書では、その代表者として3人を挙げたいと思います。 ジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコーです。 他にジャック・ラカンやカンタン・メイヤスーなどに

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  • なぜ「経済的に恵まれない人」が「新自由主義を支持する」のか? 社会心理学が明らかにしたこと(北村 英哉) @gendai_biz

    自分にとって抑圧的な環境、不都合な状況なはずなのに、なぜかそこに適応してしまう。こうした態度を「自発的隷従」と呼ぶことがある。こうした自発的隷従のような態度について、社会心理学の見地から分析した、ジョン・ジョスト『システム正当化理論』(ちとせプレス)が刊行された。訳者の一人である東洋大学教授の北村英哉氏がその読みどころを解説する。 なぜ政権党は勝ち続けるのか? まさに今の時代に合っている。ジョン・ジョストが提唱する「システム正当化理論」、そんな風に考えた。この理論は、「なぜだか現状維持に走ってしまう人々」の生の現実的な姿をつかむことに長けている。 システム正当化理論は、社会心理学の理論である。これまでの社会心理学の理論では、多くの場合、人々は自分自身が属する内集団を好み、自集団の有利を期待し、その利得に合致する方向で行動するものだとされていた。しかし、システム正当化理論は、こうした従来の理

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  • 哲学者・千葉雅也が語る、「現代思想をスルメのようにじっくり噛み締める」ための方法(千葉 雅也) @gendai_biz

    『現代思想入門』(講談社現代新書)が9万部を超えるヒットとなっている。哲学を扱った書籍としては、異例のヒットだ。難解な現代思想を平易に読み解き、実生活についてのヒントもくれると言われる書。著者である哲学者の千葉雅也氏に、現代思想を味わうための方法について聞いた。 グレーゾーンの発想 ――インタビューの前編で千葉さんは、現代思想を「使い倒す」という言い方をされていました。書を読んでいると、千葉さんご自身の人生が垣間見えるような瞬間もしばしばありましたが、そうした議論のしかたについては、書きながら意識しておられましたか? 千葉 現代思想については、これまで20年以上も読み書きしているので、自分に染みついたことを語ったら、やはり何かしら身体的なものとして表れてくるのだと思います。人生の知恵というか、一種の「先輩語り」みたいになる可能性もありますから、書では、できる限り書き手と読み手のフラッ

    哲学者・千葉雅也が語る、「現代思想をスルメのようにじっくり噛み締める」ための方法(千葉 雅也) @gendai_biz
  • プーチンの「陰謀論」に踊らされる左派系言論人…ウクライナ「代理戦争」論の錯誤と罪悪(篠田 英朗) @moneygendai

    ウクライナ情勢をめぐって、日でも様々な議論が巻き起こっているが、だいぶ構図がはっきりしてきたように思う。 国際的な法規範を重視し、日の国益もその維持にある、と考える人々がいる。しかし世界の諸問題はアメリカの帝国主義によって引き起こされており、日はそこから距離を置くべきだ、と考える人々もいる。両者の溝は、根深い。他の様々な場面でも、溝は現れてきた。それがウクライナ情勢をめぐっても、やはり噴出してきているのだ。 幸い、日政府は、国際社会の維持に日の国益も重ね合わせる見方をとり、同盟国・友好国と協調する政策をとってきている。ロシアに制裁を科し、ウクライナに支援を提供している。私としては、妥当な方向性だ、と考える。今後もこの方向性で努力をしていくべきだ。 ただし、欧米諸国や日を中心とする国際的な反ロシアウクライナ支援の流れに抗する人々も存在する。伝統的な左翼の中核的な勢力の外周に属す

    プーチンの「陰謀論」に踊らされる左派系言論人…ウクライナ「代理戦争」論の錯誤と罪悪(篠田 英朗) @moneygendai