裕福な国が一つの台風で揺らいだ 2018年6月29日、私が新幹線に乗った日から3週間後、フィリピンの東の海上で、後に台風「プラピルーン(2018年の台風7号)」となる熱帯低気圧が発生した。 それは西に進んだ後、(よくあることだが)北へと進路を変え、韓国と日本に向かって進んできた。3日後の7月2日には、気候変動の影響でプラピルーンは破壊的な勢力を持つ台風になった。 猛烈な雨が日本全体を襲った。日本の南の空が大きな音を立てて崩れたとき、誰もが不意をつかれた。気象庁の会見は軍事速報のようだった。 すでに6月の梅雨で日本の国土の水分は飽和していた。台風初日には洪水と土砂崩れがいくつも起きていた。7月6日、250万人以上を対象に緊急避難指示が発令され、さらに400万人には避難勧告が出された。四国から本州の東部まで、約2000ミリもの雨が降ったのだ。 各自治体が避難指示を出したとき、多くの人は準備がで