“知財”抗争の現実を垣間見る、警世の書 2018年12月、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術有限公司)の孟晩舟副会長が逮捕されたとき、著者は「ついにこの時がきた! と思わず体が震えた」という。 短大卒業後、町工場OLを経て早稲田大学政治経済学部で株式アナリストとなった筆者。リーマン・ショックを機に外資系金融機関から企業再生・民事再生業務に転じた後、米戦闘機F35のチップソリューションを開発した米国人エンジニアとともに起業した。 が、そこで開発した技術を「ファーウェイに盗まれ、会社を潰された」として、その複雑怪奇な経緯をネット上で6年間告発し続けている。 「まだ会社を登記する前なのにファーウェイから連絡が来て、ウチの技術を『ライセンスしたい』と。なんでわかったんだ? って話ですよ。即座に断った後も、取引先にファーウェイ社員が1週間と間を置かずに次々と現れました。商談が潰れ、発売前の新製