マルトリ児に多く見られる遺伝子の変化に関する研究成果を発表する西谷特命助教(右)と友田教授=11月18日、福井県福井市の福井大学文京キャンパス 福井大学子どものこころの発達研究センターは11月18日、虐待などの避けるべき子育て「マルトリートメント」(マルトリ)を受けた子どもは、愛情や信頼の形成に関わるホルモン「オキシトシン」の設計図となる遺伝子の一部に後天的な変化「DNAメチル化」が多く生じているという研究成果を発表した。遺伝子の変化と、脳の一部の容積や機能の低下との関連も分かった。メチル化は可逆的な性質があるため、子どものケア効果を測る指標や、新たな治療法の開発に役立つ可能性があるという。 研究は同センターの西谷正太特命助教、友田明美教授らのグループが行った。友田教授らはこれまでの研究で、オキシトシンの働きと子どもの脳の発達に関連があることは明らかにしていたが、今回はオキシトシンの遺伝子