あらゆる職業を更新せよ!―既成の概念をぶち破り、従来の職業意識を変えることが、未来の社会を創造する。「道を究めるプロフェッショナル」たちは自らの仕事観を、いつ、なぜ、どのように変えようとするのか。『転職の思考法』などのベストセラーで「働く人への応援ソング」を執筆し続けている作家、北野唯我がナビゲートする。 北野唯我(以下、北野):なぜ研究者の道へ進み、さらに「土」という分野に関心をもたれたんですか? 藤井一至(以下、藤井):中学生のときは「将来、将棋指しになろう」と思っていたけれど、高校時代に全国大会へ行く手前の県大会決勝で5連敗したんです。結局、その相手は全国制覇しましたが、「自分は勝負の世界でプロになれないな」と。それで「自分の強みを精いっぱい生かせる道」として選んだのが土の研究です。 北野:どんな強みを生かせると? 藤井:僕は田舎出身だから、農家が毎日何をしているかなど知っているし、