フリーランスのジャーナリスト、桜木武史氏の新著『シリアの戦争で、友だちが死んだ』が児童書出版大手のポプラ社から出版された。漫画家武田一義氏の漫画とのコラボという異色の編集。表紙はカメラを抱えた桜木氏に模した漫画のキャラクターが描かれ、帯には「ふつうの日本人ジャーナリストがかいた戦場ノンフィクション!」とある。中東のノンフィクションとしては、これまでにない試みである。 本は全9章で、第1章、第2章はインドのカシミールが舞台で、桜木氏が初めて戦場取材に出て銃撃で顎の左下を砕かれる大けがをした経験が描かれる。第3章以降はシリア内戦で、第3章、第4章は首都ダマスカスの郊外で反体制勢力の「自由シリア軍」が支配した地域での取材。第5章では「戦場の持ち物」というタイトルで、戦場取材の話を入れた後、第6章から第9章までは、反体制勢力の支配地域で政府軍と激戦が続いているシリア北部のアレッポが舞台となっている