うんと年下の友人と会う約束をしていたら、かれし連れていきます、とメッセージが入った。かれしは劣化していますのでよろしく。劣化、と私は内心で繰りかえした。いやな言い回しだと思った。人間はしばしば疲弊し、かならず老化し、ときに頽落する。それを劣化と表現する心性を私はいやだった。けれどもそれだけのことでかわいがっている女の子を嫌いになるのではないから、約束の日にはもちろん出かけていった。 劣化、と私は思った。いやだと思ったはずの表現がなんだか適切に思えた。少し前に紹介されたとき、彼女の恋人は二十代半ばという年齢以上にしっかりして見えた。礼儀正しくバランスがとれていて適度に快活で見栄えのいい青年だった。小さいころから選ばれてきてそれに慣れている人々によく見られるようすだ、と私は思った。それが今はなんというか、全体にもっさりしている。冴えない。うっすらとだらしない。なるほど、と私は思う。 私と彼女の