立憲民主党の野田佳彦元首相は16日収録のBSテレ東「NIKKEI 日曜サロン」で、安倍晋三元首相の国葬に参列すると表明した。「元首相が元首相の葬儀に出ないのは私の人生観から外れる。長い間お疲れさまでした、と花をたむけてお別れしたい」と語った。立民は党運営を担う執行役員の9人は欠席し、他の議員は自主判断にすると決めた。野田氏は執行役員ではない。「伊藤博文以来、首相経験者は64人しかない。私も味わ
安倍晋三首相の所信表明演説に対する代表質問が27日午後の衆院本会議で始まった。トップバッターは新しく発足した民進党の蓮舫執行部で、幹事長に就任した野田佳彦前首相。消費税率10%への引き上げを2019年10月に再延期する方針を「次の世代より次の選挙を重視する姿勢は、後世で厳しく糾弾されるだろう」と批判した。 野田氏は首相時代の12年、消費税率10%への引き上げを決めた自民、公明、民主の3党合意をまとめた当事者。「私が政治生命をかけて取り組んできた3党合意も風前のともしび。財政健全化への道のりはより厳しいものとなった」と指摘。自民の野党時代の総裁だった安倍氏が野田氏と約束した議員定数の削減についても、「トゥーリトル・トゥーレイト」と批判した。 安倍政権が今国会中の成立を目指す環太平洋経済連携協定(TPP)の承認案に対しては、「攻めるものを攻めきれず、守るものを守り切れていない現在の協定案には反
安倍晋三首相は消費税率10%への引き上げ実施を先送りしたうえで、衆院解散・総選挙に踏み切る情勢になってきた。アベノミクスが4月からの消費増税のために、瀕死(ひんし)の状態に追い込まれたことから、再増税見送りは当然だが、現役世代に対する所得税減税などの景気対策も必要だ。安倍政権は増税に応じたために、ずいぶんと回り道をする羽目になったものだ。 政治面では、消費増税のとばっちりを最も強烈に受けるのは、どうやら野党第1党の民主党のようである。態勢がまったく整っていない中での解散総選挙で民主党は壊滅的打撃を受けるとの恐れが同党内部で出ている。 民主党の没落は今に始まったわけではない。菅直人、野田佳彦の両氏が首相時代、増税を仕掛ける財務官僚の思惑に飲み込まれて以来、党は増税賛成、反対派の対立で分裂した。野田氏は自民、公明との「3党合意」で8%、10%への消費税率2段階引き上げを強行した揚げ句、2012
■野田佳彦・元首相 参院選特集ページはこちら 最近、とてもイヤな空気だと思う。「自民党にあらずんば人にあらず」みたいな空気がまた戻ってきた。私も衆院本会議で質問に立ったが、佃煮(つくだに)にしたいぐらいいっぱいいる自民議員は、ヤジと怒号で人の話を聞こうとしない。元外交官が注文をつけると、安倍晋三首相は倍返しの個人批判。ある報道局が気に入らないことを報道したら、自民党は取材禁止にした。 権力を持つ人は批判に謙虚であるべきだ。私も総理大臣を務め、批判はされたが、目くじら立てて個人をボコボコにするやり方はしなかった。それは権力を持つ者のたしなみだ。言論封殺するような世の中にしてはならない。参院も自民党だらけにしてはいけない。(千葉県成田市での街頭演説で) 関連記事「議員削減、安倍さんはやろうと言った」野田前首相6/120増5減先行「おかしい」 野田前首相5/1野田・高市両氏「信頼しあってる」
野田佳彦首相は12日、今年1年の自分をあらわす漢字1字に「決」を選んだ。京都市内で記者団に語った。 【去年は何だった?】これまでの「今年の漢字」を振り返る 首相は、選んだ理由について「首相になって国論を二分するテーマと向き合って、立ち向かってきた。動かすのは決断と思った」と説明。「さまざまな困難な政治決断をしてきた」と振り返った。大変だった政治決断としては、税と社会保障の一体改革を挙げた。 今年の漢字に「金」が選ばれたことについては「オリンピック、パラリンピックの日本人選手の活躍や山中教授のノーベル賞受賞とか、日本人が頑張って1等賞を取った。国民に元気を与えたという意味では、金というイメージがある。分かるような気がする」と述べた。【阿部亮介】
野田佳彦首相は14日、民主党内の慎重論を押し切って年内解散・総選挙に踏み切った。「近いうち解散」の約束を履行するよう迫る自民、公明両党の求めに応じ、選挙後も民自公3党連携の余地を残す一方、日本維新の会など「第三極」結集の動きを制するのが狙いだ。首相の捨て身の戦略は奏功するのか。野党側からは「追い込まれ、(解散を)何とか演出した」(自民党の安倍晋三総裁)との批判も出ている。 ◇過半数割れ目前で 野田佳彦首相は14日、国会内での党首討論で、自民党が防災関連で打ち出した国土強靱(きょうじん)化計画について「積算根拠もないばらまき公共事業はいけない」と批判した。その上で「国土の均衡ある発展という理念が(自民党に)また出てきた。古い政治に戻ることだ」と挑発的な言葉を続け、選挙モードを全開にした。 「16日解散」を表明する舞台に党首討論を選んだのは、首相自身だった。首相は6日、訪問先のラオスで記
野田佳彦首相は次期衆院選に向け、早期に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉への参加を表明する方向で検討に入った。首相が解散条件とする赤字国債発行に必要な特例公債法案の成立にめどがついたことから、首相は年内の衆院解散を含めて検討しており、TPP参加の是非を次期衆院選で争点化するのが狙い。閣僚からは9日午前の記者会見で、年内解散を後押しする発言も相次いだ。 首相は次期衆院選に向け、TPPに慎重な自民党との違いを出すために、交渉参加を争点にすることを検討してきた。 前原誠司国家戦略担当相は9日の記者会見で「自由貿易を進めていくべきだし、TPP交渉にも参加すべきだ。TPP反対か、賛成かを公約に掲げ、争点化すべきだ」と述べた。 野田首相は18〜20日にカンボジアで開かれる東アジアサミットを利用し、再選されたオバマ米大統領との首脳会談を模索している。会談で首相がTPP交渉参加を伝えるとの見方も政
「1内閣1閣僚」のはずが、政権交代以来、誕生した大臣は延べ152人! もはや「元○○大臣」の肩書きは無能の証明に成り下がった 民主党代表選を終えて野田佳彦首相が内閣を改造、「野田第3次改造内閣」が発足した。1年余りで4回目の組閣というのは当然のことながら戦後最多の記録である。政権基盤が弱い首相が求心力を保つためとはいえ、「ポスト」の大盤振る舞いは目に余る。 民主党は政権交代前、自民党の閣僚が短期間で代わるのを「ポストのたらい回しだ」と強く批判していた。総選挙を経ずに安倍晋三、福田康夫、麻生太郎と毎年首相が誕生したことも徹底的に攻撃してきた。ところが政権を奪取するや、自民党時代よりも酷いポストのたらい回しが常態化している。 今回の内閣改造に関しても、野党からは「入閣待望組の在庫一掃セール」(みんなの党・渡辺喜美代表)、「思い出づくり内閣」(国民の生活が第一・東祥三幹事長)と厳しい批判の声が上
関連トピックスAPEC野田佳彦APEC首脳会議を前に握手する野田佳彦首相(左)と韓国の李明博大統領。アルファベット順の席次のため、隣同士になった=8日午後3時37分、ロシア・ウラジオストク、仙波理撮影 8日に開幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が始まる直前、野田佳彦首相と韓国の李明博(イミョンバク)大統領が笑顔で握手する場面があった。8月に大統領が竹島(韓国名・独島〈トクト〉)に上陸してから2人が会うのは初めて。 首脳は国名のアルファベット順に座るため、「J」の日本と「K」の韓国は隣になる。最初に着席した野田首相は、別の首脳と立ち話。その途中に、李大統領が自席に着いた。野田首相が、別の首相との会話を終えて、座ろうとした瞬間、二人の目が合い、野田首相から笑顔で手を差し伸べた。 ただし、会議が始まってからは、李大統領はノートをとり続けるなどしたため、2人はまったく目を合わ
二日で野田内閣発足から一年。当初、自らを泥くさいドジョウにたとえた野田佳彦首相は、原発再稼働、消費税増税と、民意からかけ離れた決断を繰り返してきた。その首相の地元・千葉4区(船橋市)は実際、全国で一番民意が届きにくい選挙区でもある。議員一人を選出するのに必要な人口が最多、つまりは一票が最も軽い。違憲状態とされる「一票の格差」の是正も先行きは不透明なままだ。 (森本智之) 「十年以上前、船橋でつじ立ちしている野田さんを見て、実にすばらしい人だと思いました。あのころを思い出してください」。八月二十二日、「首都圏反原発連合」の一人、派遣作業員若林一彦さん(59)は、官邸での野田首相との面談でそう話しかけた。 船橋市に住んでいた時に数回、つじ立ちを見かけた。「路地裏の居酒屋で一般の市民が話題にしているようなことを、政治に反映したい」と話したのが印象に残ったという。「今は私たちの意見を聞くふりだけし
『文藝春秋』2012年8月号 〈政権交代は何をもたらしたのか——民主解体「失敗の本質」〉 に寄せた文章です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 思想はあった首相から思想もない首相へ 國分功一郎(高崎経済大学准教授、哲学) 三年前の政権交代は歴史的な必然であった。少し遡って説明する。 自民党は経済成長の果実を公共投資で国民に再配分して支持を得てきた。この政策モデルは経済成長が前提のため、経済が失速すると効果がない。日本は56年から73年までの高度経済成長期には経済成長率が九%ほどあったが、74年から90年ごろには四%ほどに落ちている。 政権交代時、民主党の中枢にいたのは90年代前半の政治改革の際に自民党を離脱した政治家たちである。彼らは経済成長を前提にした自民党の政策モデルの無効を直感していた。この直感は正しかった。自民党もまたその後、小泉政権下で政策モデルを転換し、構造改革による成長戦
国民の信を失った総理大臣は、一か八か、国論を二分するような行動に出たい誘惑に駆られるらしい。そうすれば、少なくとも国民の半数の支持を得られ、支持率が50%まで回復するのではないかという幻想に取り憑かれるのである。 野田首相の場合、「8月15日靖国神社参拝」計画がそうだ。首相の参拝計画が漏れ始めたのは7月中旬のことだ。「官邸発」の極秘情報として自民党保守派議員の間に「8月15日に驚くことが起きる」と参拝を示唆する情報が伝えられた。 首相の靖国参拝は、小泉純一郎氏以来途絶えている。それがなぜ、突然、取り沙汰されるのか。自民党保守派の城内実・代議士がいう。 「参拝情報は私も注目している。最近の野田総理は集団的自衛権行使の容認や尖閣諸島の国有化など、民主党の左派と明らかに一線を画している。仮に、参拝が本気なら、自民と民主の保守勢力が結びつく『平成の保守合同』に向かう可能性がある」 民主党の保守系議
山の手の高台で電車の交叉点になっている十字路がある。十字路の間からまた一筋細く岐(わか)れ出て下町への谷に向く坂道がある。坂道の途中に八幡宮の境内(けいだい)と向い合って名物のどじょう店がある。拭き磨いた千本格子の真中に入口を開けて古い暖簾(のれん)が懸けてある。暖簾にはお家流の文字で白く「いのち」と染め出してある。 どじょう、鯰(なまず)、鼈(すっぽん)、河豚(ふぐ)、夏はさらし鯨(くじら)――この種の食品は身体の精分になるということから、昔この店の創始者が素晴らしい思い付きの積りで店名を「いのち」とつけた。その当時はそれも目新らしかったのだろうが、中程の数十年間は極めて凡庸な文字になって誰も興味をひくものはない。ただそれ等の食品に就(つい)てこの店は独特な料理方をするのと、値段が廉(やす)いのとで客はいつも絶えなかった。 今から四五年まえである。「いのち」という文字には何か不安に対する
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