パンにかかわる人たちが怒っている。2018年度から使われる小学校1年の道徳の教科書で、教材として登場する「パン屋」が「和菓子屋」に差し替えられた。文部科学省の検定で教科書に「物言い」が付き、出版社が修正したためだ。同省は「伝統文化の尊重や郷土愛などに関する点が足りなかった」と説明する。パンは伝統文化ではないのか――。 「こんな失礼な話はない」。全国約1500のパン製造業者が加盟する全日本パン協同組合連合会(東京)の西川隆雄会長(74)は憤る。加盟社の多くは学校給食のパンを製造する。「赤字が出ても『子どもたちの給食は守らないと』と頑張っている経営者もいる。その学校の教科書でなぜこんな扱いをされるのか」。連合会は近く文科省に抗議する予定だ。 今回の検定では、東京書籍の教科書の「にちようびのさんぽみち」という教材で、パン屋のイラストや記述が、和菓子のイラストや和菓子屋に関する記述に変わった。 パ