情報システムの開発や運用は社内で自前でこなすべきか、それともコンピュータに強い外部企業にアウトソーシングして任せてしまうべきかは、統一的な答えが得にくい難しい選択問題である。各企業の置かれた環境によって、どちらにも一長一短があるからだ。単純に、アウトソーシングすれば安上がりとは限らない。 先日、この難解な課題に対する興味深い選択例に出会った。日経情報ストラテジー2008年1月号の特集「ベンチマーキング経営」で取り上げた良品計画である。 「無印良品」ブランドの雑貨や衣料品などを販売する同社は、2006年末に稼働させた新しい「MD(マーチャンダイジング)システム」を自前で開発したところ、その開発コストが従来までのアウトソーシング費用として比較した時に、何と15分の1まで下がったことを明らかにした。 売上高が1500億円を超える良品計画ほどの規模の企業が、これほど劇的に基幹システムの開発コストを