<sui-setsu> 葬儀は国葬になるのでは、と筆者が政府高官に尋ねたのは、銃撃事件のあった翌日の夜だった。 相手は「何ですかそれ」とあまり関心を示さずに「過去の形式通りに内閣と自民党の合同葬でやると思いますよ」と答えた。 ところがその次の日、つまり参院選の投票日に岸田文雄首相はこの人物を首相官邸の自室に呼んで「国葬でやりたい。どう思う?」と聞いてきた。最側近の高官は「それでいいと思います」と応じ、直後から準備が始まった。 首相が国葬の実施を発表したのは4日後の14日だ。「その日に国葬でやれって社説を出した新聞があって、とっくに決まってるのに何言ってるんだろうって感じでした」と高官は振り返った。