安倍晋三首相の靖国神社参拝に関連して、衛藤晟一首相補佐官が動画サイトYouTubeへの投稿で「むしろ我々のほうが(米国に)dissapointだ(失望した)」と述べた。衛藤は発言をすぐ取り消し、動画も削除した。 だが、これは外交防衛問題の基本認識にかかわっている。取り消したからといって、衛藤の理解の枠組みは変わらないだろう。衛藤の個人的認識の問題でとどまれば良いが、そうではなく、米国はじめ諸外国が「政権全体の考え方ではないか」と受け止めるとしたら、事は重大だ。安倍政権の危うさを暗示している。 「外交防衛政策」と「リーダーの信念」は別問題 衛藤は何と言ったのか。私は動画が削除される前に2回再生して、手元のスマートフォンに発言を録音した。それによれば、衛藤はこう言っている。 「防空識別圏の中国の一方的な発表があった。このときに、私は『ああ、日本がいくら抑制的に努力しても、中国の膨張政策が止まる