西谷修-Global Studies Laboratory 時事的なコメント、関連企画のお知らせ、その他西谷の仕事に関連する公開用ノートなどを、雑誌のコラム感覚(?)で公表しています。 最近、自分で書くのではなく、「声明」も含めて人の書いたものにおんぶするばかりで、内心忸怩たるものがある。今回もその気味だ。 ひとつは『世界』編集部のNさんから教えられた矢吹晋『チャイメリカ』(花伝社)。副題は「米中結託と日本の進路」となっている。中国情勢に詳しい矢吹氏は、この間、米中両国が日本の頭越しに経済・軍事両面で骨がらみの関係を深めており、中国を仮想敵とする日米安保がほとんど無意味化していて、それをあてにすることがどれほど愚劣なことかを説得力をもって論じている。 とくに、鳩山元首相が沖縄米軍基地の「抑止力」を持ち出して「日米合意」に屈するふりをして(鳩山は後で「あれは方便だった」と言ったから)退陣表明