帰郷(1/11) ※許可をもらったので期間限定で一か月ほど公開します https://t.co/LvsXtQHnMY
私の夫は東京で生まれ、東京で育った。 彼の両親も、それぞれ23区ど真ん中にある一軒家で育った。 夫の親族のほとんどは都内に家があり、大半は大学出で、半数が東大か海外の大学を卒業している。 母方のひいおじいさんは大学教授、おじいさんは会社経営者で、父親は超大企業に勤めていた。父方の祖父は医者だ。 ど都心にある両親の実家はそれぞれ部屋数が10以上あり、庭は子供が鬼ごっこをできる広さがある。 ここまで聞くと、小町によくあるような夫自慢に思えるかもしれない。 しかし、夫自身は大学に行ってないし、お金持ちでもない。 夫は都内の私立の中高一貫校に進学し、専門学校(夫曰く、名前を書いたら入れるそうだ)を卒業してエンジニアになった。 年収は同世代の中央値のちょい上くらいで、1千万円を超えることは一生ないだろう。 実家もロクデナシの父親のせいでお金持ちではなくなっている。 一方私は、中堅地方都市にあるアパー
別に徒歩圏内に美術館、博物館があることでも、画家の名前が分かることでも、都心に住んでることでもないんだよ。 単純に、 今の自分が知らないことを知ってみたいって感情、 今の自分には知らないことがあることを認識すること この2つをなんとなく持っている事なんじゃないかな。 知ってみたい、行ってみたい、経験してみたい、こんな感情で新しい事に挑戦する。 それが文化的素養なんだと思う。 物理的距離が狭まることで、何かしてみたいという感情が高まることは素晴らしいことだよ。 でも、たとえ田舎の人でもルーチンの日々から抜けだして、何かをしてみたいって気持ちは少なからずあるんだよ。 だから、文化的素養なんていう絶対値の分からないもので人を判断するなんて、まして物理的距離で素養そのものを判断するなんてことは間違っている。 ただ、自分が楽しんでいることを皆にも楽しんでもらいたい。 それでいいじゃないか。 自分の立
NATROMと言います。それなりの規模の病院の勤務医です。臨床医を20年ぐらいやっています。多くの医師と働く機会がありましたが、その中でも臨床医としてもっとも優れていると私が思っている先生は、現在、病床がない診療所の院長をしています。仮に山田先生としましょう。 大学病院や総合病院にも優れた先生、尊敬できる先生はたくさんいます。特定の専門分野に限れば、おそらく日本でも有数の医学者と言えるような。でも、臨床の場で、診断がついていない患者さんがかかるプライマリケアの現場では、優れているとは言い難いのです。 たとえば、胃がんの診療に力を入れ、そこら中から胃がんの患者さんが紹介されてくる、胃がんの治療では日本で一番というような医師がいたとしましょう。その医師は、「胃のあたりがなんとなく不快」と訴える患者さんに対して、必ずしも正しい診療ができるでしょうか? 上部消化管内視鏡の検査をして患者さんが胃がん
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