次に、貧困の問題ですが、長生きするのはいいけれど、それによっておカネが無くなる不安を、多くの人が持っています。マスコミ等でも悲惨な老後を送っている人の現実を見せられると、誰もが強い関心を持たざるをえません。 ところが、意外と深刻に考えていないのが、三番目の「孤独」の問題です。なぜなら、サラリーマンの現役世代の人々は毎日のように会社に通い、多くの人と交わる機会があります。また、家族や友人もいる人が大半のため、孤独を感じることはあまりないからです。ところが、定年退職した後に一番深刻になるのがこの問題なのです。齢を取ってからの「孤独」がいったいどういう事態を引き起こすのか、考えてみましょう。 2016年11月に発表された平成28年版の『犯罪白書』を見ると、犯罪全体の件数は減少傾向にあります。刑法犯の認知件数は、戦後最多だった2002(平成14)年をピークに13年連続で減少、 2015年は戦後最少